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ONE JAPAN『大企業ハック大全』

「ONE JAPAN」という、大企業の若手中堅社員を中心とした企業内有志団体が集うコミュニティによる共著。

私が勤めている会社は、大企業というほどの規模ではないのですが、日々の仕事の中で、

「社内調整、根回しに非常に時間がかかる」

「自分の発言や提案内容が狙い通りに波及せず、実現したいことにたどり着けない」

といった課題感を抱えていました。

本書では、「大企業のなかでもやりたいことは実現できる!」と志の高い方々が書かれた本です。特に「序章」における「大企業病とは?」「健全な大企業の在り方とは?」という定義づけ、問題意識の点でピンときたため、購入した次第です。

ONE JAPANが導き出した5つの「大企業病」
1. 内向き・社内至上主義
2. 縦割り・セクショナリズム 
3. スピード欠如
4. 同質化・新陳代謝不全
5. 挑戦・仮説検証不足



日々の業務の中で感じる課題をこれほど的確に言語化してくれるとは!と、感銘を受けました。


本書では、そんな大企業の中で実際に活躍されている方々が、自社の具体的な事例を44例紹介されています。

実は、内容の方なんですけど、44例はちょっと多すぎるのでは、と感じたのが正直なところです。

ひとつひとつの事例に割かれているページ数が5、6ページずつ程度なので、細部、ディテールまでは書かれていない印象。

私は、企業者の読み物はできるだけ具体的なディテールが書かれていないと意味がない(抽象化・一般化してしまうと月並みな概念になってしまいなってしまい、実践に繋がりにくい)と思っているので、この点は少し惜しいな、と思いました。


また、事例に出てくる会社が超大手ばかりで、私が居る会社での実践には繋がりにくい事例が多かったというのも、否めません。

(たとえば、社内で有志団体をつくる、ということ自体が社員数百人の会社には無理があると思う)

どちらかというと、これから大手企業への就職を狙っている就活生、20代で今の仕事に不満を抱えている人、「環境を変えてステップアップしたい」と思っている人などには非常にオススメできる本です。

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