宇宙

　私は将来的に世界中の知の巨匠を集めて民間の宇宙研究開発機関を作りたい。昔から宇宙の謎に迫る話題は大好きだった。それは私の知的好奇心を最も奮い立たせるものであり壮大な宇宙の誕生秘話は幼い私の心を鷲掴みにした。
　一方で、地球上で起きている出来事にあまり興味がなかった。地球も宇宙の一部だと考えれば何か惹かれるものもあるだろうという考え方もあるだろうが、なぜ地球にそこまで興味が持てないのかをよくよく考えてみると、人間の存在のせいだと思う。あらゆる人間はくだらない自分の欲望に身を任せ、争いを好み、いつまでも同じ過ちの歴史を繰り返し続ける。有名な漫画「デスノート」の主人公・キラが最後に吐いたセリフ「言ってもわからぬ馬鹿ばかり」はキラ自身も含めた全ての人間に対して放っていると私は解釈している。つまり人間は、繰り返される悲惨な過去を頭でいくら学んでも本能が馬鹿なことをすることを求めてしまう残念な生物なのだ。

　唯一人類が生き残る意味があるとすればその馬鹿さ加減にこそ意味がある。たとえ人類が滅んでもこの地球、宇宙には何の影響もないだろう。そんなちっぽけな存在である我々が唯一生きることでこの世界に抗うことが出来るのは、その下らない欲望に忠実になり"貪欲に人生を遊び尽くす"ことである。