大切な何かが破壊された

今まで大事に守り抜いた境界線が遂に破られた

汗が飛び散り涙が迸り喝采と称賛の嵐が吹く

何を引き換えに瞬間の熱気を得たのか

引き返せない道に踏み込んでしまう

大きな嘘と小さな勇気が対峙して

故郷は

ぼくの好きなあの山も優しく流れる川も破壊の跡の残骸になる

呆然と黙って立ち尽くす

破壊すればするほど懐が暖かくなる僅かな人は心の帰る故郷の緑も焼き払う

黙って身を処す