【自由詩】仕事帰りの路地裏

背中に吐いた嘘をどうおもう
離れることはできそうもないから
縛って吊るして離さない

倒れ込むベッドに殴りかかり
シャワーを浴びて水で覚まされる
現実の朝は昼夜交代の殺伐とした瞬間で

詰め込まれる人の塊に呑まれるきみに
おかえりといってらっしゃ~いが
絡みほどけない混沌のザワつくすれ違い

隠れるように歩く
いつまでも拭えないぎこちなさは
好悪の相互通行
うさぎの赤い目がきみのよう
頼りない強がりがぼくのよう
背中合わせにシンクロする夜の瓦斯灯