【エッセイ】ゾンビが悟りから逃げ出した

悟りは生きながら死者となることだとすれば反出生主義の此岸での最終形態ではないのか。
生仏なるものも存在するそうだがこれは実際は亡くなっているので、「生きながら死者となる」のとは異なると思う。
ゾンビは生きている屍体だが、生き返った訳ではないように思う。微妙だが同じではない。
もしも生き返ったことになるとゾンビとは違う意味合いが出てしまうし。

火葬の文化圏では「心霊」が現実的だし、土葬の文化圏では「腐敗した身体」が動き出す恐怖心の方が現実的だろう。

生者でも死者でもない境界領域の不安定さからくる「不気味」な気配が文化圏によって異なるのは当然なのでしょう。

個人的には火葬は怖いと思っていて自分も燃やされると思うと嫌な気分になる。しかし殺されて山中に埋められたり、簀巻きにされて海に沈められたりするのはもっと嫌なので病院で死ぬのが妥当かなと思う。