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#035

俺の心は悪鬼のように憂鬱に渇いている。

俺の心は悪鬼のように憂鬱に渇いている。俺の心に憂鬱が完成するときにばかり、俺の心はなごんでくる。
                          (『桜の樹の下には』梶井基次郎)

自我の過去の集積に没んだ感情を刳り出されたような情趣を覚えさせられる、
故に、共感せざるを得ない、
こういう文章に出会ったのは久しぶりのことだ。

やはり、こうした長い年月と経験から徐々に醸成される感情を、
僅かニ

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