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気流を止めるがキーワード。

日ごとに、外気の湿度が増しているのが分かりますね。

晴れていても、風がないと空気がジトっとします。

逆に言えば、風が吹くと多少なりとも体感温度は下がりますよね。

空気が動いてくれると、肌の表面が気化熱で熱を奪われるのを促進してくれます。

空気が動くというのは、熱を奪うことなんです。


さて、空気が動くことを、気流と言います。

室内で気流が起こると、室温よりも体感温度が下がります。

扇風機を回したら、涼しい。ってのは、まさにこれですよね。


さて、では身体にあたりさえしなければ、室内で気流が起こっても問題ないのでしょうか?

実は、意外と知られていませんが、壁の中の気流が悪さすることがあるんです。

例えば、グラスウールなどの繊維系断熱材を使用して家を建てた場合、必ず屋外側にも室内側にも透湿シートなどを施工して、空気を静止させます。

この理由というのが、空気は止まっているからこそ断熱となるからです。

空気というのは、とても優秀な断熱材です。

しかしこの空気が壁の中で動き続けてしまうと、対流により温度の変化が生じます。


するとどうでしょう。

グラスウールを入れているにも関わらず、断熱性能が保持できなくなってしまいます。

つまり、空気を含むことで断熱する断熱材は、壁内での気流を止めない事には、カタログ上の性能値なんて出やしないんです。

ちなみに余談ですが、カタログに書いてある断熱性能の数値は、湿度0%の完全に乾燥している空気を含んでいる状態での数値です。

空気は水を含むと熱を通しやすくなるので、断熱材によって静止した空気層は水蒸気を保持させないというのが重要だったりします。


そんな訳ですから、昔まことしやかに語られていた、「ウチの断熱材は羊毛だから、フィルムなんて貼らない方がイイ!」って節、あれは嘘です。

こんな説明する営業さん、もう今や絶滅危惧種かもしれませんが、羊毛だろうと、グラスウールだろうと、セルロースだろうと、空気を含んで断熱する材料であれば、壁の中で気流を止めて、断熱材が含む空気を乾燥させておくことが性能を保つ基本です。

ちなみに近年の材料を含む工事価格の高騰から、リフォームやリノベーションを行う際に、どうしても断熱予算まで含めて捻出できないケースがあります。

そんな時に、多少なりとも断熱材が入っているのであれば、半端に断熱補強するよりも、外に面した壁の天井付近と床付近だけ剥がして、グラスウールを詰め込んで、気流を止める方がコスパがイイという事も徐々に知られてきました。

もちろん、木造であることが前提です。

(画像はマグイゾベールHPより)

以前は、木造住宅を解体する際に、断熱材のグラスウールが黒ずんでいると、「カビだ!湿気がこもってる!」なんてよく聞きましたが、調べてみたら、このグラスウールの黒ずみは壁の中で起こった上昇気流によって埃が運ばれ汚れているっていうケースも多々あるんですよね。

気流止めないと、そのくらい壁の中は空気が動いちゃうんです。

他にも、気流でいうと、エアコン暖房の際に、あったかい風が直接身体に当たるのって、不快ですよね。

でも、今の住宅でエアコンは必須アイテム。

エアコンを使いながらも直接身体に風が当たらないように暖房しなきゃいけないなんて、とってもイメージし難いですよね。

でも、そんな家づくりをしています。

家づくりにとって、「家の中の気流をどのように処理するか」というのが、実はとっても大事。

「あれ?オースタムさんの建てる家って、ダブル通気って言ってましたよね?」

と思ってくれたあなたは、もうある意味オースタムファンですよね。

それは断熱材の選択に秘密があるのですよ。

その辺りは、長くなるので見学会で実物をお見せしましょうね。





hiroyuki

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