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私が二次避難しない理由

1月11日。それは突然やってきた。
今なら道が通れるから二次避難したい人はこの後すぐ出発してください!と。
いきなり決断を迫られた集落民は準備もそぞろに出て行った人が大半。
家も雨漏りなど十分な対策もできていないまま。

その数日後、市役所職員が二次避難のお知らせに来た。
さらにその数日後、同じ市役所職員が二次避難のお願いに来た。

私は、今ここで生活できているから二次避難の必要性を感じておらず避難はしていません。住める家もある。
(この集落では1軒を除き、他の家も一応建っています。詳しい状態はわからないけどね)
断水してるけど、水は山水があるし、電気はなくても電池があるし、通信障害も回復しつつある。車で動き回らないし、車中泊ももうしていないのでガソリンが減ることはない。山の向こうに行きたかったら自分の足がある。歩いて行けばいい。
私が思う二次避難は、本当に家を失ってしまった人や、明らかに家が危険で住めない人優先で避難したら良いと思う。
色々な背景はあるけれど、電車の席に座りたいがために降車する人を無視して我先にと電車に乗り込み、席に座ってひと心地をつく、みたいな人にならなくてよかったと思っている。

新聞記事によると市長は「出て行けとは言わない」という。
Twitterによると馳知事は「今月中には孤立集落解消しそう」という。
(=二次避難によって集落が空き、孤立している人がいなくなるの意と取った。)
自衛隊の緊急道路も通っているので、この集落はもはや“孤立集落”ではないのかな?
だとしたらいいけど。

先日来た市役所職員さんのお話を聞いていると行政としては集落を空にしたいみたい。意図はよくわかりません。

初回市役所職員さんが来たときに「とりあえず出れます。(出て欲しいなのニュアンスを込めて)ではなく、その後のロードマップもきちんと示してほしい。それに納得できるのであれば二次避難も考えます。また私は頑なに出て行かない!と言っているのではないからね」とお伝えしました。
2回目に来た時、ロードマップは示されませんでした。
二次避難所に行って、その先のことは考えていない、ってこと。
それって気休めに一旦出るだけじゃん?って思っちゃう。

二次避難を薦める人が絶対考えてないだろー!と思うのが空っぽになった集落の治安。もうすでに車上荒らしとか出てきているのに、誰もいない集落になっちゃったら空き巣入り放題じゃん?「二次避難をしない人たちは行政の手を煩わしている悪だ!」みたいに思う人、そこまで考えてる?
私は嫌だな。
戻ってきたら家の中の家財道具無くなっているとか。
ご近所さんの家が荒らされてたとか。
実際集落全体が二次避難をしたところは、治安維持問題に悩まされています。

先日、無人になった商店にブルーシートを貼ってきました。
残った人でそういうケアができるの、大事だと思う。
集落を歩いていると、窓が開いているお家もある。
多分地震で家が傾いて、開いてた窓が閉まらなくなっちゃったんだと思う。
本当はそんなお家も応急処置したいなと思う。

二次避難。
どうするのが正しい、ではなくて
当事者本人が後悔のない選択ができればそれでいいと思っています。

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