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With コロナ(スウェーデン)

こんにちは。
今週は、ヨーロッパの中でも独自の路線でコロナと戦いながら、それでも人生を豊かに過ごす方法にチャレンジし続けるスウェーデンよりお届けします。

新型コロナウィルスの感染者数がなかなか減らず、まだ心配な日々が続いていますね。

スウェーデンでも検査数増加(首都ストックホルムは希望者全員検査可)に伴って感染者数も増加しました。ただ、6月下旬をピークに新たな感染者数も日々減ってきています。そして、1日当たりの死者数も一番酷かった4月より減ってゆき、ここ数週間はゼロから数名程度になってきました。

第二波のシュミレーションも出されたり、在宅勤務継続の推奨をしたりと、まだ両手を広げて安心できる状況ではありませんが、それでも、今まで閉まっていた博物館や国内クルーズ船も動き出し、共生の道を歩き始めています。ただ、無防備に動き始めているわけではなく、公衆衛生局からそれぞれの業界へ向けて出されている指針に従って活動を再開していて、違反があれば営業停止などの厳しい罰則もあります。

では、どんな風にそれぞれが活動を再開しているのかと言いますと、

コンサートやイベントなどは、現在も50人以上の集まりは禁止です。大規模な劇場やコンサート会場は開いていませんが、オンラインコンサートに切り替えたり、小規模の会場は、席の間隔を空け50人未満の入場制限を設けて行う会場や、両方を組み合わせて出来るだけ多くの方に観てもらったりと工夫を凝らしています。オペラ座のリハーサル時もオーケストラや歌手・合唱団が集まると50人を優に超えるので別々に練習したりピアノ伴奏だけのリハーサルにしたりしているそうです。丁度、今週はプライドウィークでもありましたが、大規模なパレードやファイナルコンサートは行われず、オンラインで行ったり、船をステージに見立てて湖に浮かぶテラス席のレストランを小規模会場として活用していました。

観客参加型のテレビ番組なども、無観客の生放送を行いながらも、視聴者がオンラインで参加したりと、いつもと違う生放送番組となっています。

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博物館や美術館等も一回の入場人数に制限を設けながらも、ガイドツアー等も行い主にスウェーデン人やヨーロッパ人の観光客が戻ってきています。

遊覧船や国内クルーズ船も、通常の半分以下の乗船率に制限し、コンサートなどの人が多く集まるイベントは中止となっていますが、食事提供も諸条件を設けて、安心して楽しめるように工夫されています。国内クルーズは、チケット売り切れが続いているそうですよ。

レストランやカフェも、座席を減らしたりブロックしたりして、お客さん同士が近くに座らないようなっています。ブッフェは、今も禁止ですが、店員さんが取り分けてくれるスタイルやテーブルでのサービスとなっています。スタイルは違いますが、食べ放題は健在。

タクシーは、座席と運転手さん側をアクリル板で仕切り支払い用のカード読み取り機が通る穴があるだけで、不要な接触や飛沫を防ぐようになっています。
電車やバスもほぼ通常通り動いていますが、路線バスでは運転主さんとの接触を持たないようチケットの確認は省略されています。

お店やデパートもレジ周辺にアクリル板を設置しているところが多くなっています。薬局などは、お年寄りも訪れますので、規模によって一度の入店を5-8人程度に限定し自動ドアも手動に切り替えて、店員さんが人数をコントロールしています。カウンターにはアクリル板もありますが、薬剤師さんと商品棚の側で話す場合は、フェイスシードル着用で対応してくれます。

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こんなに厳重な割には、マスクへの評価は低く着用の義務はありません。薬局で普通に売っているので気になる方は付けいますが、1日に数人見かける程度でしょうか。もともとスウェーデンのマナーとして、少しでも風邪やインフルエンザの症状があれば、学校も職場も行くべきでないし、来ないでくださいという習慣ですので、コロナ禍になってもそれは守られています。

日本の感覚からするとスウェーデン人は結構簡単に大事をとって休む印象がありますが、それは日本人がマスクをする「人にうつさないように」という感覚と似ているかと思います。

では、なぜ決して少なくない死亡者数となってしまったのでしょうか。そこには、ヨーロッパでもトップクラスの移民受け入れ数を誇り、介護や福祉を充実させてきた国のこれから改善するべき社会問題となっている部分にウイルスが入り込んでしまったのが原因ではないかと言われています。スウェーデン人が多く住む富裕層地区は抗体獲得率4%、貧困層地区は30%以上と疾患率にも大きな差が出ているとの報道もありました。

そんな状況の中でも、篭りっきりになるのではなく、それぞれに気を付けながらできる範囲で活動を始め楽しんでいます。

スウェーデンが一番美しく過ごしやすいこの季節は、レストランのテラス席で食事や会話を楽しむ人達、公園や森を散歩するカップルや、ボートやサマーハウスで太陽と海を楽しむ家族の笑顔で溢れています。
在宅勤務をしつつも、やっぱり家に閉じ篭るより、お互いに体調を気遣いながらも時々外に出たり、自宅の庭に招いたりと、画面越しでは得られない人間関係を楽しんでいるようです。

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ここスウェーデンでもハグや握手も遠慮する状況ではありますが、幸せや喜びを感じながら笑顔の多い夏を過ごして免疫力や体力を高めて来る秋冬を乗り越えて行きたいですね。

次週は、フランスはパリよりお届けします。是非、お楽しみに。


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