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夏のバカンス (フランス)

1か月に渡ってお伝えしてきたヨーロッパの夏休みシリーズ連載。今週はフランスからです。


フランス人にとってバカンスは、とっても大事。夏休みは特に国全体が本当に楽しみにしている休みで、誰もが取る権利があるという前提で、子供から大人までバカンスを楽しみます。だいたい 7 月 14 日位からバカンスが始まり、それを境に毎週週末は、バカンスに行く人、帰ってくる人の往来で高速道路は大混雑。
やっぱり北から南下する人が多く、首都高速は自転車を車に積んだ車たちで埋め尽くされ、その中継をテレビで見る度に夏休みが始まったなと毎年感じます。


職種にもよりますが一般企業では、6 月 1 日から 9 月末までの間に 3 週間の休みを取るよう推奨されています。みんなが一斉にこの時期に休みを取り、仕事が一旦保留状態になることが多いので、企業側としては仕事が忙しくない時にまとまって休みをとってほしいという願いです。その長い休み中、代理人がいるわけでもなく、返信がないのも当たり前。パリ市内のレストランも夏季営業で閉まり、銀行窓口、市役所、家の工事、夏休み中は何も動かないと心構えしといたほうがいいです。よくフランスと取引している日本人の方から夏は特に、連絡がとりづらくなかなか仕事が進まないと伺いますが、まさにそれです。


日本だと夏休みはお盆休みか中心で、職種によると思いますが、だいたい 1 週間位~10日程だと思い
ます。やっぱり時間が限られているから、やりたいことリストがありすぎて、凄く忙しそうに休みを過ごしているなという印象を受けます。海水浴に行くとなると、まずはビーチに必要なものを買い揃えるところから始まり、現地に着くとご当地名産の美味しいものを列に並んでも食べに行って、帰りにはお土産を買い、気づけばゆっくりするどころか行くところやるところ尽くしでもう帰る日とかになっていますよね。フランスの夏休みは休みが長いこと、時間があること、余裕があること、だからこそ、1 日ずっとビーチでごろんとして日焼けする時間があったり、本を読んで過ごす時間があったり、時間がゆっくり流れていきます。夜も日の入りの時間が遅く、22時近くまで明るい時もあるので、1日が夜まで長く、旅先で夕飯の後ぶらぶら街中を歩いて、アイスクリームを夜の23時頃に食べている姿とか頻繁に見ます。ヨーロッパによく旅行で来られる年配の方が、“ヨ
ーロッパは優雅でいいですね~”ってゆわれますが、この時間の使い方、捉え方が違うからこそそう感じるのだと思います。

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学校はだいたい6月後半に授業が終わり、9月に新学期が始まります。他のヨーロッパ圏と同様、2か
月以上の夏休みがあり、学校から強制的に出る宿題もありません。たっぷり時間があるので、共働きが多いフランス人夫婦は、だいたい3週間は子供と一緒にバカンスをすごし、残りは祖父母の家に預けたり、サマーキャンプに入れたり、スタージュといって集中的にレジャースポーツなどのレッスンを受けさせたりします。家計が苦しい家族でバカンスにいけない子供達には、ボランティア団体がバカンスを提供することがあります。生まれてから海を見たことのない子供たちをビーチに連れて行ったり、経済格差があってもみんながバカンスを楽しめる機会を差し伸べているフランスはとても素晴らしいと思います。

今年はコロナの影響で国内旅行をする人が例年より多かったそうで、例年はフランスの南部コート・ダジュール地方に人が集中するそうですが、今年はフランス北部に位置するノルマンディー地方の海沿い街も大人気でした。さてバカンスが大好きなフランス人、次のバカンスはクリスマス。次の休みを目指して私も毎日頑張っていきます!

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