興味のフックはどこにある?
わたしたちのような地方の小さな制作会社でも、連絡先を開示していると毎日のように営業の電話やメールをいただきます。
特に「Web幹事」というサービスに登録してからというもの、フリーランスのWebデザイナーやコーダーの方からの売り込みメールがたくさん届くようになりました。いわゆるフォーム営業というやつです。
最初のうちは物珍しかったので皆さんと面談をしていましたが、件数が多くなり対応しきれなくなってきたので、最近はお話ししてみたいと思った方だけに返信するようにしています。
何が書いてあれば話してみたいと思うのか?
フリーランスの皆さんからいただくメールは面白いほど似通っていて、どこかのテンプレートを流用したのかな?と思うぐらい内容がそっくりです。
「ごあいさつ」からはじまり、Canvaで作ったプレゼン資料、Web制作に携わるようになったきっかけ、前職での成功体験、そして「さいごに」一言添えてあり、連絡先にChatWorkのIDが記されている…概ねこんな構成です。LPのような感じと形容すれば伝わるでしょうか。
多くの方はポートフォリオや制作実績にボリュームを割かれていますが、正直なところあまり詳しくは見ていません。今どんなことが出来るのか?よりも、一緒に仕事がしたいと思えるか?のほうが重要だからです。
では、どんなことが書いてあれば一緒に仕事がしたいと思うのかというと、「あなたの会社に興味があります」という姿勢が伝わるような内容です。
悲しいかな、私の元に届くメールの95%は定型文です。
Web幹事のページに「弊社のWebサイトをご一読いただいたうえで、共感ポイントや協業できそうな仕事内容などを明記してくださった方には、優先的に返信させていただきます。」と明記しているにも関わらず、ほとんどの方はWebサイトすら確認せずにメールを送って来られます。
なので、Webサイトを確認してくれているという様子が見て取れた場合は、それだけで真摯に向き合おうというマインドになるのです。
顔が見えると相性が想像できる
最近は動画も気軽に撮影できるようになり、自己紹介動画を送ってくださる方も増えています。例えばこんな感じです。
自己紹介動画の良いところは、テキストよりも圧倒的に情報量が多く、一瞬で人柄が伝わることです。そこで何を話しているかはあまり重要ではなく、表情や話し方から人となりが感じ取れ、相性を想像することができます。
仕事をするうえで、相性が良いかどうかは生産性や顧客満足度に影響する、とても重要な要素です。わたしたちは会社員とは違って一緒に働く相手を選ぶことができます。お互いの幸せのためにも、相性の良い同士で仕事ができたほうが良いのは間違いありません。
ただ、見ず知らずの相手に一人語りの動画を送るという行為は、相応の覚悟または自信がない限りはハードルが高いでしょう。その場合は写真の一枚でもあれば、人物像を想像するヒントにはなります。
写真がないのは論外として、稀にアーティストのプロフィール写真のようなものを送って来られる方もいらっしゃいます。履歴書ではないので別に悪くはないですが、読み取れる情報量はどうしても少なくなってしまいます。
証明写真のように姿勢を正したものでなくてもよいですが、このぐらい顔が見えると表情から人柄が想像できてありがたいです。
あと、リモート前提なのでどこにお住まいでも支障はないのですが、居住地が書いてあったほうが安心感があります。
都心だから潤沢に仕事があるわけではない
居住地といえば、最近少し気になっていることがあります。
今年に入って、関東在住のクリエイターさんから立て続けにお問い合わせをいただくようになりました。以前は地方在住の方ばかりだったので、地味ながらも大きな変化です。
わたしたちのような地方の制作会社に、関東のフリーランスの方がコンタクトを取って来られるのには、どのような理由があるのでしょうか?いくつか仮説を立ててみました。
関東圏の制作単価が下がっている
テクノロジーの発展に伴い、全体的な制作単価が下がっているのかもしれません。以前の投稿に書いたように、制作の現場は徐々に無人化の道を進んでいます。その過程で制作業務の効率化が進み、そのぶん薄利多売になってきている可能性は考えられます。
関東圏のクリエイターが飽和している
制作の現場は徐々に無人化へと向かう反面、クリエイターを目指す人たちは増え続けています。参入障壁もどんどん下がっていることから、案件以上にプレイヤーが増えて飽和しているのかもしれません。
地方への外注が増えている
コロナ禍でリモートワークが一般化したことで、関東圏の制作会社と地方在住のクリエイターが直接繋がり、外注仕事が地方へ流れているのかもしれません。仕事を持って地方へ移住されたクリエイターも少なくないでしょう。
Web案件の内製化が進んでいる
ノーコード・ローコードツールを活用して、これまで外注していた案件が内製化している可能性もあります。外注として仕事を請けるスタイルから、企業に常駐して内製化を支援するスタイルが主流になるかもしれません。
上記はあくまで仮説ですが、関東圏に拠点を構えていれば潤沢に仕事が舞い込んでくる、といった時代ではなくなってきているようです。
いつでもご連絡をお待ちしています
いずれにしても、弊社を見つけてくださって、ご連絡をくださるのはとてもありがたいことです。どのようなかたちであれ、認知して興味を持っていただけるのは何より嬉しいことです。
興味を持ってくださったということは、わたしたちが発信している情報のなにかしらに「引っかかり」を感じられたということで、そのためのフックを作ることこそが、わたしたちの仕事の本質です。
これからも、まだ見ぬ皆さまとの出会いを楽しみにしていますので、ガンガンフォーム営業をお待ちしています。
なにかしら「引っかかり」を感じたら、返信させていただきます。
では。
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