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はじめることとやめること

一の坂川の桜は今年も満開です

春は出会いと別れの季節ということで、私たちの会社からも一人のスタッフさんが巣立っていきました。

私がトレーナーを務めているスクールの卒業生で、弊社で2年ほど経験を積んだのちに、キャリアアップの転職に成功されての円満退社です。まさに私が理想とするかたちで会社を活用してくれて、素直に嬉しいです。

未経験からWebデザインの勉強を始めたとき、弊社の求人に応募してくれたとき、更なる成長の場を求めて転職活動されたとき、いずれも新しいことを始める怖さや不安と向き合いながら、勇気を持って前進されてきたことでしょう。学習期間を含めて3年間、成長の道程をご一緒できて良かったです。

ありがとうございました。新天地でのご活躍を期待してます。

チャレンジにはエネルギーと余白が必要

新しいことにチャレンジするためには、それなりのエネルギーが必要です。適度に余裕がある環境下に身を置いていなければ、挑戦するためのエネルギーを確保することができません。

日々の仕事や生活に忙殺されていたり、極端に困窮していたりといった状況では、新たな挑戦をしようというマインドにはなれないでしょう。

そういった意味では、ポジティブな転職を実現するスタッフさんが居る会社というのは、それなりに余白がある健全な環境なのかも知れません。

以前も書きましたが、私は80%の力で一定の成果が出せるチームを理想としています。馬車馬のように働くのではなく、適度な余白をキープした状態で仕事をするからこそ、クリエイティブな発想ができると考えています。

私自身も、昨年あたりから時間的にも精神的にも少しゆとりができて、未来のことを考えたり、新しいことに挑戦したりできるようになりました。このnoteを書き続けていられるのも、充分な余白があるからです。

私が時間を確保できるようになった理由はふたつあります。ひとつは私の代わりにスタッフの皆さんが活躍してくれたこと、もうひとつは自分や会社が「やらないこと」を決めたことです。

はじめることとやめることはトレードオフ

「やらないこと」を決めるということは、これまで継続してきたなにかを「やめる」ことであるとも言えます。

新しくなにかを始めるときには、代わりになにかをやめることを検討すべきです。なぜなら、使える時間やお金などのリソースは有限だからです。

何かを得ると同時に、何かを失うことをトレードオフと呼びます。

トレードオフ(英: trade-off)とは、何かを得ると、別の何かを失う、相容れない関係のことである。平たく言うと一得一失(いっとくいっしつ)である。対義語は両立性(コンパチビリティ、英: compatibility)。トレードオフのある状況では具体的な選択肢の長所と短所をすべて考慮した上で決定を行うことが求められる。

トレードオフ(Wikipedia)

例えば、やりたいことがあるけれど「時間がない」「お金がない」といった悩みを抱えているとき、私たちは今の状況からなにも手放さずに、新しいなにかを始めようとしています。これではリソースが足りません。

トレードオフの考え方だと、時間がないならば今やっている何かをやめて時間を作る(例:睡眠時間を減らして早起きする)、お金がないなら今買っている嗜好品をやめてお金を作る(例:タバコを減らして節約する)、などの意思決定ができます。

人間が経験するもっとも基本的なトレードオフは、「時間をどう使うか」というものである。たとえば、与えられた時間を使って、芝刈りをすることもできるし、より儲かること、またはより楽しいことすることもできる。「時は金なり」である。楽しいことだけに時間を使った場合、当然のことながらお金がなくなってしまう。一般的には、ある状況で固定できるのは、3つのうち2つのみであるとされている。限られた資金で品質を上げるには、大量の時間が必要となる。

トレードオフ(Wikipedia)

なにかを始めたいけれど始められないという人は、まず先に「やめること」を決めてリソースを確保してから、新しいことを始めるという順番で考えてみるのが有効です。

自分で考えて、選択することが重要

競争戦略論で有名なハーバード大学のマイケル・ポーターは、企業の戦略的ポジショニングの確立にはトレードオフが必須であると説いています。

差別化戦略におけるトレードオフは、ある1つのことをうまくやるために、残りの選択肢を捨て去ることです。なぜなら、すべてを同時にうまくやることはできないからです。

もしリソースが無限にあれば、やりたいことをすべて実現できるかもしれませんが、現実にはリソースは有限です。制約があるなかであれもこれもやっていると「あちら立てればこちらが立たず」になる可能性が高いです。

トレードオフを行う際に、競合他社と異なる選択をすることによって、競争優位を創出することができます。「やらないこと」「やめること」を決めるのにはリスクを伴うため、他社に模倣されにくくなるのです。

やることとやらないこと、いずれを決めるうえでも重要なのは、自分の頭で考えて、取捨選択の意思決定をすることです。「みんなが選んでいるから」という理由で選択をしていては、競争優位性を追求することはできません。

もちろん、自分で意思決定したことの結果には、自分で責任を負う必要があります。その覚悟をもって挑むからこそ、成功するまでやり遂げられるし、他者からの共感を得てサポートを受けることができるのです。

実務経験がないけどキャリアアップしたい人へ

弊社のスタッフさんは、未経験で入社した人たちばかりです。

これまでも、クリエイティブな仕事をしたいけれど、実務経験がないという方をたくさん受け入れてきました。また、経験値を積みたいという大学生にも、アルバイトとして制作を手伝ってもらうことがあります。

これまでの経験上、実務経験のあるなしと、仕事ができるか否かはほとんど関係ありません。未経験の方でも意欲があれば成長できるし、むしろ成長していく様を見ることができる、一緒に成長できるという楽しみがあります。

そして、これまで退職された方々を思い返してみると、いずれも「就転職」「結婚」「出産」など、新しいステージに進むための前向きな退職ばかりでした。仕事や会社が嫌で辞めた方は一人も居ません。

この会社は皆さんにとっての通過点で良いと思っていて、スタッフさんが退職されることに関しては、ポジティブな印象しかありません。これからどんなキャリアを築いていくのだろうか?また別のかたちで一緒にお仕事をする機会があるだろうか?など、今後の展開が楽しみですらあります。

やる気はあるけど実務経験がなくて困っている人は、ぜひ弊社を踏み台にしてどんどんステップアップしていってください。

では。

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