見出し画像

つま先立ちのゴールを

今から15年以上も前のこと。

ホノルルマラソンに出ました。
それまで大して走ったこともなかったのに。
当時課長になる少し前。一番仕事が忙しくて、しんどい時でした。
24時間テレビの杉田かおるが炎天下で走れたんだから自分もできるかも。そう思い立ち、10kmの小さな大会に出ました。目標60分に対して、特に練習することもなく、54分で走れたので、これはいけるかも!と真剣に考えるようになりました。

そこから3か月。金哲彦さん本でイメトレし、谷川真理さんの本についてた練習計画を自分用にアレンジして、トレーニングしました。若い頃、教科書が嫌いだったのですが、大人になって、賢い人や上手な人って、ちゃんとお手本どおりに実行していることが多いと気づきました。簡単なことでも素直にやり続ければ結果が出ると思い、かなり忠実にこなしました。

メンタル面ではコーチングが必要だと考えていたのですが、当時はコーチという職業に信頼感ゼロでしたので(今は違うのですが)、コーチングさえ知っておけば自分でできるはず。それを実証してみることにしました。ゴール後のイメージ、どうすればできるかの問いかけ、これを繰り返していました。目標もたてました。
第1目標が完走。途中できるだけ歩かない。
第2目標が時間。最初の54分/10kmをもとに計算で出した数字。

当日までの練習と、当日の42.195kmをどうマネージするか、かなり綿密な計画を立てました。自分に近い市民ランナーのブログなどを参考にし、当日の天気によってペースを変える。前日の食事、当日の起床時間など、ほんとに細かく計画しました。途中にある撮影ポイントでは後で自分が見つけられるように胸のゼッケンをレンズに向けるところまで考えていました。

結果、どうだったのか。。。

練習も当日も計画どおりに実行し、見事、目標達成しました。どの写真もしっかりゼッケンが判別できました。

わたしがコーチ(といっても自分なんですけど)に宣言したゴール姿は、感動で泣きながらゴールテープを切る。これが、、、できなかった。達成感はそれなりにあったのですが、感動の!とか涙の!とかいうゴールではありませんでした。予定どおりに練習し、予定どおりにゴールした。まさに予定調和でしたので、艱難辛苦を乗り越えた感がない。

帰国後、ほどなくして何度か大会に出ましたが、あのホノルルマラソンのような沿道の応援がないので、計画どおりにはできませんでした。あのホノルルは本当に素晴らしい組み合わせで、目標達成したことがわかりました。

なのに、なのに、思い出には感動とか情動がない!

昨日、日経xwomanのClubhouseでご一緒した八田益之さんにこの話をしましたら、すぐに解明してくださいました。

それは目標が低いから

ああああああ

そのとおりでございます。今ならわかります。あの時はわからなかったんです。あの目標は自分にとってつま先立ちだと思っていました。しかし、そうではなかったんです。目標設定の詰めが甘かったんですよね。

八田さんから他にもヒントをいただきました。

コミュニティに入って他の人に意見を求める

あの当時、職場の人にはマラソン出ることを前日まで言ってませんでした。忙しくて言いにくかったこともあって。もっとオープンに話して、その目標設定がつま先立ちレベルかどうかを聞くべきでした。そうすればもっと大きな挫折感または達成感(場合によってはその両方)を得られたかもしれません。もったいないことをしました。


ちなみに、八田さんはこちらのかたです。スポーツと社会をつないでおられます。


最近、背伸びもつま先立ちも少なくなっているので、もう一度、何かにつま先ジャンプしてみたい気持ちです。

応援いただけると嬉しいです。 サポートしていただいた分は若い女性の育成にあてます。