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Perfectest weekend vol.1

最も完璧な週末を過ごした。4月の3週目のおはなし。続きです。


友達と別れてから、好きな男と合流して、私の家に帰った。

今日がいかに素晴らしい一日だったかを熱弁する私に優しい相槌をたくさん打ち込んでくれた。

自分は、たくさん話したい時と、相手の話をただ聞いていたい時とがある。それをうまく汲み取ってくれるような人は本当にレアで、特に好きな男は、聞くと話すのバランスが抜群にいい。

人が欲しい言葉を、態度を、惜しみなく与えてくれる人。気づくだけでなく、与えてくれる人。一緒にいるようになって初めて気づいたこと。

というか、それをスマートにやってのけるから、いつのまにか好きになっていたのかもしれない。
私はその力が圧倒的に欠けている。

ただ、もしこの人が、それを意図的にやってくれているのだとしたら、いつか気疲れしてしまわないか、なんて不安にもなる。

満足に話し切ったところでシャワーを浴びて、ドライヤーに手を伸ばす。

何度か、髪を乾かしてくれる男は嫌い、と言った。

乾かし慣れていたらどうしよう。

前の人にも乾かしていたんだろうなって要らぬ詮索をしてしまうに決まってる。

過去は過去、と割り切れる人はすごい。

というか私も、過去はどうでも良いと思う側の人だったはず。でもあまりにあなたのことが好きすぎて、そういうのも許せなくなっている。そんな自分がみっともなくていやだ。

いやだけど、でも、こうして愛していることを実感する。不器用な恋愛。

同じ布団に入る。

人と寝るのが苦手だった自分は一体どこへ消え去ってしまったか。

あの人を好きになってから、私は少しずつおかしくなっている。そのおかしさを自分自身が許容できなくなった時、どうなるのか怖い。今はまだ、おかしい自分を客観視して、ほくそ笑む余裕がある。

そんなことを考えながら、いつのまにか眠りに落ちる。

8時間近く、あの人の腕の中で、ずっと優しい夢を見ているようだった。


8:30 起床

今日は重労働だから、しっかり朝ごはんを食べた。

新生姜にハマっている


10:00 古いベッドの解体

4年間使っていた、ロフトベッドを解体した。

取り残された階段


寝るときにだけ登る小さな階段が愛おしい。何年経っても飽きずワクワクするベッド。

家の中でダントツいちばんお気に入りの家具だったな。


11:30 新しいベッドが到着、組み立て

好きな男と家具を組み立てる←まじでずっと夢だったんですけど!

こういうの率先してやりたがりな自分を見透かしているのか、サポートに回ってくれるあの人は本当にすごい。

想像していた以上に楽しかったし、完成したベッドはとてもとても可愛かった。


13:00 コインランドリーへ

予定にはなかったけど、せっかくベッドも新しくなったしと思ってシーツを洗濯した。

でもあいにくの曇り空だったのでコインランドリーで乾燥させることに。

10分100円、400円投入した。なんかワクワクするよね、コインランドリーって。誰かにとっての日常。自分にとっては非日常。40分後に取りに来るから待っててね。


14:00 近所のパン屋へ

目当てのお店は定休日でやってなかった。また次行こうよ。楽しみが持ち越されたよって明るく励ましてくれるあの人が、本当に好きだった。

こういう時、若干不機嫌になったり、事前に調べておいてよって態度に出すような人じゃないだけでもありがたいのに、こっちが元気になるような配慮までできるのがすごい。

「アクシデントを楽しめるような人」
敢えて挙げないかもしれないけど、理想的な恋人の条件圧倒的上位に食い込むよね。

別のパン屋に行って、甘いのとしょっぱいのを3個ずつ選び、コンビニでアイスコーヒーを買って公園のベンチで食べた。

全部半分こした。なかよしだから。

途中で雨が降り出して、心が躍った。

にわか雨に喜ぶ心は、人生に余裕があるときにしか現れない。一緒にいるとなんだってたのしいね。

コインランドリーに寄ってシーツを回収して帰路に着く。

ふわふわであったかかった。


16:00 すずめの戸締まりを観る

いつかの金曜ロードショーでやっていて録画していたこの映画。PLAN 75と迷って、先にこちらを観ることにした(結局1本で力尽きたけど)。

新海誠作品は、どんなに時間が経っても、観た時の記憶が色褪せない。とても不思議。昔のことは薄れがちな自分も、いつどこで誰と観たか、はっきりと思い出せる。

今日のことも何年か後に思い出したりするんだろうか。

良い記憶として、思い出したりするんだろうか。

その時の私は、ちゃんと笑っているんだろうか。

あなたの隣で。


20:00 十八番の麻婆豆腐をふるまう

昨日買った六角形のお皿を早速使えて嬉しい。

炒飯は冷凍

チャーハンは好きな男が盛り付けたけど、お茶碗で形作ってから盛ってくれたのが地味に嬉しかった。

ひとりじゃやらないようなことを、ふたりだからやる、みたいなそういう感覚を大切にしたい。

もちろん重荷にならない程度に。


23:00 就寝

完璧な週末だったねって言い合って眠りにつく。

今日みたいな、やわらかい幸せがずっと続けば良いって、こんなにも願ったことはない。

ずっと書きたかったnoteをようやく書けた。
意外と記憶は薄れないものだ。

vol.1としたのは、きっとまた、いっしょに完璧な週末を過ごすことができると思ったから、まずは第一段と言う意味を込めて。

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