共感するほどなぜかココロの距離ができる理由
共感力が大事だと言われますが、会話の中で相手が共感してくれたはずなのになぜかモヤモヤが残った経験はありませんか。
逆に、共感したつもりが相手の反応が微妙だった…など。
漠然と感じていた共感にまつわるモヤモヤを一気に解決します。
共感のシーンでよくあるモヤモヤ
あなたが感じていたことや経験について話し始めたところ、
「わかるーー!わたしもあるある!そうだよねえ…」
そんなリアクションをもらうことがあります。
あなたも逆の立場で、よかれと思って全力で
「わかるーー!」
のリアクションを返しているかもしれません。
でも、それがやっとやっと言葉にできた切実な言葉にたいしての「わかるーー!」だった場合には、
「ホントはもっと聴いてもらいたかった」
「ホントに分かってもらえているのかな」
こんな気持ちも湧いてくるのではないでしょうか。
ときには、話のボールを聴き手に奪われてしまったと感じたこともあるかもしれません。(実際奪ってしまっているケースも聞きます)
このありがちリアクション。
「私だけじゃないんだ」というその場の安心感を得られることもあるかもしれませんが、それ以上に話し手はモヤモヤが募っていることが多いものです。
考えてみてください。
その時、本当に欲しかったリアクションは何だったのでしょうか。
ただただ話を聴いて肯定も否定もなく、暖かく受け止めてくれること
「話していいんだ」という安心感の中で話せること
これではなかったのではないでしょうか。
今までの共感は実は共感ではなかった?
なぜ「わかるーー!」のリアクションがモヤモヤするのかをもう少し詳しく見ていきましょう。
「わかるーー!」とリアクションを取ったとき、その人の心のベクトルは何処に向いているでしょうか。
実は、話し手ではなく、その話に共鳴した自身の過去の出来事やそのときの感情です。
そう、話し手から自分自身にベクトルが変わってしまい、話し手の気持ちを推し量るというよりは、自身のそのときの感情を味わい直している状況なのです。
話し手もなんとなく感づいてモヤモヤしてしまうのも無理ありません。
もはや、その時の状態は「共感」というよりは「同感」です。
自分の気持ちを相手の話を借りて並べているだけ。
会話は交わっているようで実は交わっていない状態です。
話し上手は聴き上手、といいますが、聴き上手な人は、一旦自分の感情や価値観を隣に置いた上で、一旦離れています。
話し手の話をそのままの鮮度で丁寧に受け止めています。
それでは、共感できる、聴き上手になるためにはどんなことに気をつけたらいいのでしょうか?
共感が伝わる「YES,ANDの法則」
わたしは実際、カウンセリングのトレーニングの場でも聴き手を大切にする「共感」について教えていますが、日頃のコミュニケーションのスタイルを作り直すことが必要になるため、なかには難しく感じる方もいます。
そんなときは以前、コミュニケーションのレッスンを受講した際に教えていただいた「YES,ANDの法則」を取り入れてみることをお伝えしています。
例えば、「テストがまさかの赤点で…」と相談されたとします。
そんなときどんなリアクションを返すでしょうか。
「勉強の仕方が良くなかったんじゃない?」
「そんな落ち込まなくでも大丈夫だよ」
例えばこのようなリアクションは、話し手の気持ちを受け止める前に自分目線の解釈や考えをダイレクトレシーブで打ち返しています。
まさかの赤点となってしまった話し手の気持ちを受け止めることなく話を進めていくことで、本当に話し手が伝えたかったことからどんどん距離ができてしまう可能性もあります。
本当に話したかったことは、今あなたの頭に浮かんでいることと全く別のことかもしれません。
自分の中に湧いてきたことを口にをする前に一旦相手の話をそのまま受け止めてみてください。
「まさかの…?」
または
「まさかの赤点だったんだ」
このように一旦受け止め返すだけで、思いの外話し手は、話を受け止めてもらえた安心感を感じます。
つまり、この1工程を挟んでいくだけでお互いの信頼関係がぐんと深まるのです。
なかなかしてくれなかった話をしてもらえるようになるなど関係性の変化を肌で感じることができます。
本当に変わるので是非、試してみてください。
あなたの話はその後でも遅くありません。
むしろお互いの認識がズレることなく話が進むことを考えると、メリットしかないと私は思います。
この、一旦受け止める姿勢を「YES」その後話を続ける部分を「AND」と表現しています。
わたしたちはついつい、自分の中にある価値観や情報だけで相手を理解しようとしてしまいがちですが、それはお互いの認識のボタンの掛け違いの始まりに繋がりかねません。
正しい共感力を養うことであなたの価値観や世界観もどんどんひろがっていきます。
さあ、今日から会話に「YES」の余白を挟んで、心通う心地よいコミュニケーションを重ねていきませんか?
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