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笑いの科学:ヒトが笑うコトは、なぜ奇妙なコトなのか?
笑いについて科学的にわかっていることはとても少ないと言われているのですが、その少ない部分の中には、驚きの事実がたくさん隠されています。
私たちをアッという間に楽しい気分にさせてくれる”笑い”とはいったい何なのでしょうか!?今回は、現段階で分かっていることをサラッと説明していきます♪
笑うコトは、とっても奇妙なコト?
笑い声は普通の生活において異様な音です。ヒトが理性的に話をするための”声”というよりは、動物の鳴き声にとても近いものです。
この動画を冷静に見てください。笑っちゃダメですよ。
・・・
ちゃんと見ました?
笑い声って音だけ聞くと、動物の声みたいですよね。横隔膜がけいれんして、普段の声を全く出せなくなっちゃいます。会話なんてとても成立しませんし、息をするのもやっとになります。
呼吸は、人間が生きる中で一時たりとも停止できない”最重要行動”の一つです。笑い以外の行動で私たちの呼吸や会話が阻害されることは、ほとんどありません。それにもかかわらず、”笑い”は呼吸を止めるのですから、明らかに奇妙な行動だといえます。
笑う動物はヒトだけ?
ニーチェは笑う動物は人間だけだと考えていました。しかし、それは間違いです。多くの哺乳類は笑うことができます。サル・イヌ・ネズミなどいろいろな動物が笑うのです。
くすぐった時はどの哺乳類も笑いますが、もっと笑いやすい条件があります。ロバートプロヴァイン博士によると、その条件とは、仲間がいるときです。
例えばヒトは、一人でいるときより仲間と一緒にいるとき30倍も笑いやすくなるといわれています。
私たちが誰かと一緒にいて笑うのは、冗談や話が面白いからではありません。「相手のことを理解していますよ」ということを笑いによって示しているのです。
笑いがもつ役割
笑いが持つ役割とは、”社会的なつながりを作る役割”です。
生物学に革命を引き起こした、あの進化論を唱えたダーウィンは、”笑い”は人間のコミュニケーションの最も初期の形態であると提唱しました。そして、いくつかの追従研究が行われました。その結果、赤ちゃんはわずか生後1か月で笑顔になり、3か月で笑い始めることが明らかになったのです。
両親が赤ちゃんと一緒に遊ぶと、それに応じて笑うことで両親を楽しい気持ちにさせます。その結果、親の新しい行動を更に引き出して、たくさんのことを学ぶのです。研究チームは、”笑い”=”強力な学習ツール”であり、”笑い”=”両親と子供をつなげる強力なツール”でもあると結論付けています。
2種類の笑いとは?
笑いには、2種類の笑いがあります。
1. 本物の笑い
2. 愛想笑い・作り笑い
本物の笑いは長く、音程も高いものです。激しい笑いの時は、意図的に笑った時よりも強烈に肺から空気が絞り出され、はるかに高い圧力がかかっています。笑い声だけ妙に高いヒトっていませんか?あれは、実際にコントロールできる音階よりも、笑っている音程が高いという事実を説明しています。
作り笑いは、鼻にかかったような音で、すぐに終わる笑いです。自分の状況を伝えたり、自分が恐怖していないことを伝えるために政治家などが公共の場で使うことが多い笑いです。
文字で書くとわかりにくいですが、私たちは2つの笑いを高いレベルで聞き分けることができることも明らかになっています。
この2種類の笑いの違いは、チンパンジーにもかなり似た傾向が見られることがわかっています。くすぐられたときに出る作り笑いと、仲間と遊んでいるときに出る本当の笑いは彼らにとっても違うものなのです。
2つの笑いは、脳に与える影響も全く異なります。作り笑いは、脳の聴覚野を反応させます。一方、本物の笑いのときは、他人が何を考えているか?を考える内側前頭前野といわれる部分が反応します。
つまり、本当の笑いを聞くと、私たちの脳は思わず”その人が何を考えているか?”を考えてしまうのです。この現象は普通の音楽や音ではまず起こりません。
”笑いにだけ反応しやすい回路がある”ということは、私たちはほかのヒトと笑いをシェアしたい生き物だともいえるかもしれません。
笑いは・・・!
笑いは、私たちを楽しい気分にさせてくれます。
そんなこと、当たり前だと思うかもしれませんが、脳科学や社会学、心理学の観点からも明らかになっていることがあるというのは意外ではないでしょうか・・・??
例えば、ハプニング動画って笑えるものが多いですよね!
でも、ハプニングの結果をよく考えてみると、結構危なかったりすることがほとんど。でも、危険が起こってから恐怖を感じすぎてしまっても人は幸せにはなれませんよね?
私たちは、笑いをうまく使いながら、よく考えるとつらいイベントを楽しいイベントに変換して生きています。
神様がくれた、とっても優しいシステムです。どんどん笑って、人生を幸せに生きていきましょう!!
----- おしまい -----
このnoteは、世界中の論文を読み漁ることが趣味の私が、普段の生活や健康、美容などについて、根拠に基づいた意思決定をするための知識を提供していくnoteです。
それ、もう根拠あるよ?
ということで無駄に悩む必要はありません。
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引用
Nwokah, Evangeline E., et al. "The development of laughter in mother-infant communication: Timing parameters and temporal sequences." Infant Behavior and Development 17.1 (1994): 23-35.
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