アレルゲンのコピーのコピーのコピー

信念は、クスリより、強い。 プラシーボとノセボを乗り越える、信念のチカラ。

プラシーボ効果とノセボ効果

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実際には効果のない薬を服用していたり、全く薬を服用していない状態でも、私たちの体は思い込みによって奇妙な反応を起こします。

思い込みは、科学的にはまだ説明のつかない効果を及ぼします。

痛み止めを飲んでいるわけでもないのに、痛みがなくなったり。
痛み止めをやめたわけではないのに、逆に痛みが強くなってしまったり。

今回は、『プラシーボ効果』『ノセボ効果』を題材にして、ヒトの思い込みのチカラ。いや、信念のチカラについて考えてみたいと思います。


プラシーボ効果は、ポジティブ。

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『プラセボ効果』とは、実際に科学的な説明がつかないポジティブな効果のことを言います。有名な効果ですから、聞いたことがある人も多いでしょう。

”本当は効果がない”薬を飲んだとしても、病気が改善していくという不思議な力が、プラシーボ効果です。

実際に、新薬の効果があるかどうかを確かめる臨床試験では、ニセの薬を飲ませたグループと、本当の薬を飲ませたグループを比較するというややこしいことを行います。

なぜ、”何も飲ませない”のではなく、”ニセの薬”と比較するのでしょう?

それは、”ニセの薬”を飲んだグループにはプラシーボ効果が働き、実際よりも良い数値を示してしまいます。新薬を開発するには、その”思い込みより強い力”があるかどうかを実証しなくてはいけないのです。


ノセボ効果は、ネガティブ

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ノセボ効果は、プラシーボ効果に比べるとだいぶマイナーな効果です。実際には効果がない薬を飲んでいるのにも関わらず、副作用が発生するなど、ネガティブな効果が出てしまうことを、ノセボ効果といいます。

ノセボ効果を知るには、General Hospital Psychiatryに掲載された、2007年の症例報告が面白いです。

ある男性が、29個ものカプセル剤を一気に服用しました。彼の血圧は異常に低下し、静脈内輸液がないと維持できないほどに異常な低血圧となってしまいました。
しかし、彼は治験に参加しており、彼が服用したカプセル剤は実はニセモノで、体に影響を与えるような成分は1つも入っていなかったのです。
つまり、彼は有害な薬を一気に飲んだというただの”思い込み”によって異常な低血圧となってしまったのです。
彼に、カプセル剤はただの偽薬で何の効果もないことを知らせると、たったの15分で彼は元の状態に戻りました。

なんだ、アホな男がいたもんだな・・・!と思いましたか?

しかし、ノセボ効果はほかの実験でも実証されています。2015年のAllergy誌にて公表された研究によると、

かゆみを引き起こすことのない生理食塩水(偽薬)を皮下注射しました。
Aグループにはかゆみが出るアレルゲンと伝え、Bグループにはただの無害な生理食塩水(偽薬)と伝えました。
すると、どちらも同じくかゆみがでない生理食塩水(偽薬)だったのにもかかわらず、”かゆみが出る”と伝えたAグループはBグループに比べて約2倍のかゆみを訴えました。

これらの研究以外にも、痛みや疲労、吐き気や腹痛など、さまざまな自覚症状において、ノセボ効果があることが示されています。



なぜ、プラシーボ効果やノセボ効果が起こるのか?

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脳は、視角をはじめとする五感をセンサーとして、さまざまな情報を受け取るようにできています。しかし、神経科学者によると、”脳は必ずしもそれらを完璧に処理できているわけではない”といわれています。

さらに、状況によって情報が不足するのはいつものこと。したがって、正しく判断を行うために、”私たちの脳は情報を勝手に補うシステム”になっています。

プラシーボ効果やノセボ効果は、脳が情報を補うときに起こる、バグのようなものなのです。


ノセボ効果は、ナゼ存在するのか?

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術後の痛みを抱える人に、モルヒネを使って痛みを抑える治療を行っている医師によると

・患者にモルヒネを中止することを伝えた場合、中止後に痛みが悪化する
・患者にモルヒネを中止することを伝えなかった場合、中止しても痛みが悪化することはない

といわれています。

私たちの脳はネガティブなイベントが起こった時、いち早く対応し、行動を起こすために存在するのです。自分が不快だと思う芽は早めに取り除いておこうということです。

しかし、不安があまりにも強い場合、ノセボ効果は制御不能になり私たちを苦しめます。薬の副作用を伝えられると、胃がむかついて、うつになったり、その他の症状を感じるようになってしまいます。


信念は、クスリより、強い。

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ノセボ効果が示すのは、クスリや医療にかかわることだけではありません。

Clinical Journal of Pain誌の2019年の最新研究によると、女性が痛みを受ける動画を、研究の参加者に見せたとき、参加者の体も同じように痛みを感じる事が実証されています。

私たちは、ほかのヒトを見るだけで痛みを感じることのできる生物なのです。


私たちは、クスリが効くと信じることで、クスリの効果をさらに引き出すことができます。

逆に、医者が意地悪をしていて、クスリに副作用があると思うだけで、クスリの副作用を増やしてしまいます。

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私たちの思いは、決して無為なものではないのです。

私たちは信念の効果を、もっと認識する必要があります。

医療だけではありません。信念は、社会的な行動すべてに影響を与えることを知りましょう。


祈ればすべてが解決するわけではありませんが、

準備を終えた後、モノを言うのは信念のチカラです。


全ての準備をして、良いことを信じ、悪いことは無視していいのです。




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おしまい

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引用

Reeves, Roy R., et al. "Nocebo effects with antidepressant clinical drug trial placebos." General hospital psychiatry 29.3 (2007): 275-277.

Napadow, Vitaly, et al. "The imagined itch: brain circuitry supporting nocebo‐induced itch in atopic dermatitis patients." Allergy 70.11 (2015): 1485-1492.

Vögtle, Elisabeth, Birgit Kröner-Herwig, and Antonia Barke. "Nocebo Hyperalgesia can be Induced by the Observation of a Model Showing Natural Pain Expressions." The Clinical Journal of Pain 35.9 (2019): 737-743.


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