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1日35,000回も”決定”しなくちゃいけない私たちを間違いから守るコツ。”HALT”に対処してますか?

ハイライト
・私たちは1日に35,000回も判断している。
ごはんだけで226.7回も判断が必要。
・意思決定は、裁判官だってべらぼうに消耗するハードワーク
HALTに対処しないと意思決定はミスりやすい。

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私たちは1日35,000回もの意思決定をしている

Sahakianらの主張によると、私たちは1日に35,000回も意思決定をしていると言われています。

何を食べよう?
何を着よう?
誰と時間を過ごそう?
誰とデートしよう?
何を買おう?

などなど、私たちの生活には決定のチャンスが数えきれないほどあります。買い物なんて、まさに判断の連続です。どれがいるモノで、どれがいらないモノか。野菜や果物を選ぶときは傷んでいないか、新鮮か?など判断には終わりがありません。

それでも「35,000回はちょっと多すぎるでしょ!」と思うヒトに考えてみて欲しい事があります。この記事を読み始めた時に、

これ以上読み続けようか?
スマートフォンの通知を無視しよう
LINE見なきゃ
腕を組んだり
あくびを抑えたり
鼻をつまもうか
コーヒーを飲もう

様々なことが頭をよぎり、半無自覚に様々な決定を同時に行っているのが、私たち人間なのです。

私たちは、1日を通して35,000もの判断を行わなくてはならないのですから、それだけたくさんの情報を処理していたら、疲れていくのは当然です。

しかし、決定には「良い」結果と「悪い」結果があります。

消耗した状態で行った決定は「悪い」結果を引き起こす確率が爆増します。逆に言えば、”「悪い」決定をしやすい時”は明確に存在するのです。

今回の記事を最後まで読めば、悪い決定を避ける方法がマスターできます。

でもまずは、”判断力は本当に消耗するのか・・・?”を考えてみましょう。


裁判官でも判断力はランチ前後で全然違う。

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裁判官は中立でなくてはなりません。

特に刑事裁判は、刑によって捕まった人のその後の人生をまるっきり左右するものですから、両方の当事者の話に熱心に耳を傾け、事実に基づいた公正な判断が必要とされます。

したがって裁判官は”いつどんな時でも公正な判断を下す事ができるプロ”・・・なハズ。しかし、2011年に行われた調査には衝撃的な事実が記されていました。

その事実とは、「裁判官はランチ直前には囚人のリクエストを全く受け付けないが、ランチ直後には65%も受け入れる」というモノでした。

具体的には、囚人のリクエストを受け入れる可能性がランチ直後には65%だったのにもかかわらず、時間と共にその確率が減少していく。そして、次の食事直前にはほぼ0%になってしまう。さらに、次の休憩や食事によって65%に戻る。という結果。

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中立・公正を意識している裁判官でさえ、ランチや休憩によってこれほどまでに判断力が左右されてしまうのです。さらに、重要な決断をしていると、どんどん疲れていき、冷静な判断はできなくなっていきます。

「疲れ果てた時にはすべて嫌になる」ということが裁判官でさえ起こってしまうのです。

私たちが、車や家のような高い買い物をするときや、デートを申し込む時に疲れ果てた状態だったらどうなると思いますか・・・??

”大失敗”はあなたのすぐそばにあります。


判断力を悪化させるHALT状態とは?

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判断力を悪化させるのは、なにも疲れた時だけじゃありません。

空腹なとき(Hungry)
怒っているとき(Angry)
寂しいとき(Lonely)
疲れたとき(Tired)

これらの頭文字をとって”HALT”状態と言います。

HALT状態は、人間に組み込まれている基本的なニーズにそれぞれ対応しています。これらの問題に一つでも当てはまるときは、ストレスに過敏になりやすく、個人的な関係だろうが、ビジネスであろうが間違った判断を下しやすくなることを覚えていきましょう。


もし、あなたがHungryなとき

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空腹時は血糖値が下がりがち。

低血糖は、空腹感だけでなく、不安感やめまい、眠気やあくびなどの症状を引き起こし、あなたの判断力を鈍らせます。

脳は糖分を栄養にして動くシステムですから、低血糖になったら脳が機能不全に陥るのは当然のメカニズム。

重要な決定をするときは、少量でも何か食べてからの方が良いでしょう。


もし、あなたがAngryなとき

怒っている時に正常な判断が出来なくなるというのは誰でもご存知かと思います。でも、別れ話のような大事な決定を、ケンカしているときに決めてしまうことは一般的に起こる事です。

”10秒待ってみる”、”記録を取る”など怒りに対処する方法はいくつもありますが、自分なりの怒りの対処法を知りましょう。

アナタが怒りに対処する方法を知らないなら、「反応しない練習」がオススメです。この本は怒り以外にも私たちが感じやすいストレス全般に応用できる方法がたくさん書いてあります。


もし、あなたがLonelyな時

だれかに拒絶されたり、誤解されたり、孤独を感じた時、それが原因で間違った判断をしてしまうことが往々にしてあります。

客観的にみると、どう考えても良くないパートナーなのに、”自分を必要としてくれる人はこの人しかいないから・・・”と関係をダラダラと続けたりする話はよくありますよね。

↑で紹介したレズ風俗が良いとか悪いとかいうつもりは全くありませんが、ヒトは必要最小限の他人との関わりが必要なものです。心の開きかたを学びましょう。


もし、あなたがTiredな時

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疲れたり、忙しくしていることは、自分が必要とされているような気がして誇らしく感じる人もいますが、少なくともそう言った時に大きな決断をするべきではありません。

冒頭の裁判官の話にもある通り、人間は休憩をとらずにずっと過ごしていると、すべてを否定するような気分になりがち。短時間でも良いので休息や回復をスケジュールの中に組み込んでから、決断しましょう。


衝動買いは、まさにHALTな状態だ。

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”衝動買い”をするときってどんな時だと思います?

ストレスMAXで、疲れたり、怒ったり、なんだか小腹が減ったり、誰も分かってくれない寂しさを感じた時じゃないですか?

そんな時に、体に悪いとわかっていても。財布に悪いとわかっていても、衝動買いをしちゃうんですよ。コレってまさに悪い判断。HALT状態です。

全ての条件を満たしちゃってます。

アナタがHALTを感じた時は、絶対に人生にとって大切な判断をしてはいけません。その選択は、だいたい間違いです。

逆に、人生にとって大切な判断をするときは、”HALT状態”になっていないか、ちゃんとチェックしましょう。そうすることによって、判断をミスる可能性は一気に低くなりますよ!




引用

Sahakian, Barbara, and Jamie Nicole LaBuzetta. Bad Moves: How decision making goes wrong, and the ethics of smart drugs. OUP Oxford, 2013.

Danziger, Shai, Jonathan Levav, and Liora Avnaim-Pesso. "Extraneous factors in judicial decisions." Proceedings of the National Academy of Sciences 108.17 (2011): 6889-6892.

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