スマホ指の痛みを改善するためのちょっと変わった方法

スマホ指の痛みを改善するためのちょっと変わった方法

スマホと手は一体化している?

大きな回転式ダイヤル型の電話しかなかった時代は、はるか昔。

小型と軽量化が進み、スマートフォンは小型ですっきりとした、頭の良さそうなデザインへと進化を続けています。しかし、ヒトの手の形は全く進歩していません。

私たちは、毎日を自分のスマートフォンとともに過ごします。

・朝のアラーム
・友達や家族とのコミュニケーション
・SNSを使ったさらに広いコミュニケーション
・ニュースなど新たな情報の獲得
・音楽やポッドキャスト
・YoutubeやNetflixのようなエンターテイメント
・写真を撮る
・マップ機能を使ってナビ代わりにする

目覚めた瞬間から、寝る寸前まで何時間もスマートフォンを手にしています。

ニールセンデジタルの調査によると、日本人は平均で3時間以上の時間をスマートフォンに費やしています。通常、寝る時間と勤務時間はスマホを触れないことが多いハズ。したがって、残りの可処分時間の多くをスマホとともに過ごしていることは調査データからも明らかです。

私たちの手は、それだけ長い時間スマホにさらされているのです。

スマホの歴史はまだまだ浅いので...

http://www.soumu.go.jp/johotsusintokei/whitepaper/ja/h29/html/nc111110.htmlより

日本で最初のiphone(3G)が発売されたのは2008年。スマホの普及率が70%を超えたのが2014年。現在が2019年ですから、スマホの普及からたったの5年程度しか経過していません。

したがって、実は”スマホ指”および、スマホによる指や関節の痛みについては、さほど詳しいことが分かっていません。しかし、現段階で関連性が疑われる疾患がいくつかあるので紹介します。

スマホ指以外にもある!スマホ関連の関節障害

■スマホ指

メッセージの送信など、繰り返し指を動かすことで起こるものにトリガーフィンガー、狭窄性腱鞘炎と呼ばれるストレス障害があります。

また、手首に過度な負担がかかることで手根管症候群(carpal tunnel syndrome)という症状が発生することもあります。

さらに、大型のスマホやタブレットでは小指が変形したりへこんだりするスマホ指(smartphone pinky)などが起こることもあると考えられています。

■スマホ肘

長時間の電話によって長い時間肘が強く曲げられることや、硬い机やイスに肘を載せた状態で肘を刺激することで起こるといわれています。スマホ以外の原因でも起こることが知られており、肘部管症候群(cubital tunnel syndrome)と言われることもあります。

スマホをしていたらこれらの症状が必ず発生するというワケではなく、現在長期的なスマホ利用による、これらの症状とスマホの関連性が調査されています。

スマホ指の痛みを軽減させるヒントは見つかっている

今のところ大規模な試験などは行われていないので、100%痛みを軽減する方法は存在しません。しかし、いくつかの研究によってスマホ指の痛みを軽減する可能性があるいくつかのポイントわかっているため紹介します。

スマホ指の痛みを軽減させる可能性が最も高い方法

それは、姿勢にちょっとした工夫を加えることです。

Ewa Gustafssonらにより行われた研究では、スマホ関連の痛みを持つ青年41人と、症状のない15人を集めてスマホ使用時の姿勢を確認しました。

すると、痛みを持つ青年にはある特徴があることが分かりました。

・首が40°以上曲がっている可能性が35%高い

・背もたれを使っている確率が44%低い

・肘をどこかにおいている可能性が28%低い

したがって、スマホ指やスマホ肘をはじめとするスマホ関連の痛みを予防・改善させるためには姿勢を正すことが重要であることが考えられます。とはいえ、『ただ気をつけろ!』と言われたところで、できたら苦労しません。ですから、スマホ指をサポートする方法をご紹介します。

例えば、人をダメにするソファを使う。

これは一つの良い選択です。

このソファはいくつかの姿勢を切り替えながら使うことができるので、筋肉や姿勢が長時間固定されるのを防ぐことがカンタンにできます。

さらに

・背もたれとして使える

・肘おきとして使える

・首の角度を調節できる

と、スマホ指の痛みを持つヒトの悪い特徴を全て打破できます。もちろん、この知識を知っていれば、これらのポイントに自ら気を付けて姿勢をコントロールできるので効果倍増です。

スマホ指の痛みを軽減させる方法

指の負担を減らす方法としては、バンカーリングを使うのもありかもしれません。しかし、指の負担は分散するものの、手首への負担は変わりません。最低限の対策だけしておけばいっか・・・!というヒト向けかなぁと思います。

これら以外の方法はすべて生活レベルの話です。あまり参考にならないかもしれませんが、一応書き残しておきます。

・持つ手を頻繁に変える
・音声入力を使う
・手が痛くなる前に休憩する
・ストレッチする
・整形外科に行く
・軽いスマホを選ぶ

どこから病院に行くべきか?

スマートフォンを置いた”後”にもしびれや疼き、けいれん、痛み、硬直などの症状が出る場合は病院で診断を受けるべきでしょう。

スマートフォンを持っているときに痛みなどが出る場合は休むことで症状が改善する場合がほとんどです。その際は診断まで受けるレベルではないので、十分に休息をとり、症状がどのように変化するかを観察しましょう。

おしまい

このnoteは、世界中の論文を読み漁ることが趣味の私が、普段の生活や健康、美容などについて、根拠に基づいた意思決定をするための知識を提供していくnoteです。それ、もう根拠あるよ?ということで無駄に悩む必要はありません。

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引用

Gustafsson, Ewa, et al. "Technique, muscle activity and kinematic differences in young adults texting on mobile phones." Ergonomics 54.5 (2011): 477-487.

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