エンドオブホワイト


君のねむる、牛乳みたいにしろいまくら、
清潔、
だというしるしのためにだけ、しろいまくら、
映画、
みたいになれないあおい焦燥、
君のためにだけ腰かけたあおい椅子が、
あかくなるまでの世界。
 

ふれあったところだけ皮膚がするするとまろやかになって、夏を怖がらずにいられる。
下書きのままでよかったのに夏の天使が勝手にペン入れした景色、芸術のわからないことを笑われているみたいに鮮明な輪郭が怖くって眼鏡を外した真昼の孤独、君にはない種類の孤独、それでも溶け合ってしまいたいわけでなく、まろやかな皮膚のまま、まろやかな景色のままとなりで眠りたいだけなのだと、君はわかってくれるだろうか。


しかくい室外機にお辞儀する冷えた部屋、
即席の脆いユートピア、
ゴールデン・レトリバーみたいなちゃいろのブランケット、
清適、
だというまぼろしを実体にするためにだけ、ちゃいろいブランケット、
絵画、
みたいでいられないあかい情動、
君のためにだけ色づけたあかい爪が、
しろくなるまでの季節。






生活になるし、だからそのうち詩になります。ありがとうございます。