リスタートはシーツの上から

 
ながいながいながい夜だって永遠にはとうてい似てなくて、だからちゃんと永遠に憧れて永遠を恐れて生きていける、初めての夜明けに安心と絶望、どっちが大きいかでその後のルートが分岐します、バッドエンドはないからどっちでも良いし、未来人はいつまで待っても来ない、タイムマシン、ダサいデザインだったら、絶対乗りたくない。
 
 
どうせ手に負えないところで太陽は燃えているのだし、キャンプファイヤーみたいにそのまわりをぐるぐると歩くしかなくて、母はとびきり優しくもとびきり残酷でもないひとだったので、爽やかに教えてなどくれなかった。
泥だんごを叩きつけて壊した夕方、おやつにぱちぱちと弾ける駄菓子を食べる、できない夜ふかしのために健やかに昼寝をして小さな永遠のかけらを積み重ねることで簡単にパラメータは上がっていって、ぼくたちはちょうどよい季節に裏山で秘密を育てる妖精に出会える。
 
 
妖精は聞く、朝はなにいろですか、
ぼくたちはみな揃っておなじ答えを出す、
白です、はじまりは、いつだって白です、
妖精はがっかりしたような顔で裏山を掘り起こして、他人のタイムカプセルまで開けてはみんなくれてやると言う。幻の剣はいつまでも幻のままでいい、永遠も、永遠に限りなく近いなにかも、ほんとうは、欲しくなんかない、
妖精は、朝も昼も夜も、永遠すら知らない。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


生活になるし、だからそのうち詩になります。ありがとうございます。