きみはただのひと、光るだけのひと

 

青いドアに鍵もかけずに
きらきらしたことばかり言って
わたしを困らせるあのひとのこと
おんなのこだと思っていたら
だいきらいだったでしょうね
おとこのこだと分かっていたから
まざりあってみたかったの

ドラッグストアで買えるちいさなビンに
沈んだホログラムみたいに
わたしの部屋の中に閉じ込めて
ちかちかと瞬くだけの
くだらないひとになってほしい
誰も知らなくたって
あたらしい宝石には価値があるって
騙されて川に流れ着いた石
狂ったみたいな句読点と同じ
可能性だけのいきものであってほしい

渇望 溢れる名前のすべてでありたい
ハニー ベイビー シュガー
ダーリン ダーリン ダーリン
甘い唾液が蒸発していく
わたしは母であり子どもだった
きみはいとしいひとだった
わたしは神であり悪魔だった
きみはいとしいひとだった
はじめからおわりまで
たましいはふたつ 
からだもふたつ
それでもプラスマイナスゼロになって
ただの平凡として海に還れるのね

ほんとうは性別もなにもかも
さしたる問題じゃなかった
理由がなきゃ触れあえないと
なきたくなっただけ
きみの心臓がきらきら光っていて
それがすべてだったの
わたしの心臓に星が降ってたいらになって
それがすべてだったの






生活になるし、だからそのうち詩になります。ありがとうございます。