永遠座


明日の朝がくるまでに
眠れないことを映画にしよう
わざとらしく息を吐いて言葉を乗せて
ありきたりな暗い夜だけを切り取ろう

くだらない孤独と不足で
月を満たせたと錯覚した
本当はただ飲み干して
空にしただけの赤いマグ  それだけが綺麗

出来上がったフィルムに  キスをして窓に飾る

いつだってひとりで眠りたい ぶかぶかのパジャマで
欲を余して膨らんだ お腹を隠して華奢なふり
ぬいぐるみ抱いても帰らない ゆらゆらと宙返る
影を探した目を閉じて お腹を空かした少女の真似

永遠なんてとても言えない  退屈で平凡な夜のこと


明日が過去になる前に
鮮やかな夢を映画にしよう
操れない君が吐いた言葉が乗って
ありきたりな甘い声だけを切り取ろう

仕方ない孤独と意識で
月が壊れたと想像した
本当はただうなされて
空にしただけの鈍いベッド  それだけが乱れ

出来上がったフィルムを  切り裂いて窓に投げる

いつだってひとりで眠りたい ふわふわの布団で
過去を逃がして丸まった 背中を隠して叙情的
ぬいぐるみ抱いたら戻れない くらくらと目が回る
面を掴んだ手を見せて 背中を焦がした天使のよう
永遠なんて尊くもない  壮大で陳腐な夢のこと


本当はただ寂しくて
空にしただけで酔う心  それだけが希望

出来上がったフィルムが  想せるまで抱かれたい


いつだってふたりで眠りたい  さらさらのシーツに
不安を包んで溶かしてた  あなたを隠して馬鹿なふり
ぬいぐるみ抱いても越えれない  ぽかぽかと愛を生む
今を繋いだ詩を書いて  あなたを覚えた子どものよう
永遠よりも重く儚い
退屈で平凡な 奇跡のような夜のこと




  

   





生活になるし、だからそのうち詩になります。ありがとうございます。