マイディアキャラクターズ

 
きみが寝ころがる
うえに文字がのる
ごろごろと横を向いたりして
転がるたびに
文字は腹のあたりではねて
いくつか落っこちたりして
文字のうえにきみがのる
きみのうえに文字がのる

文字はつよくて軽いから
きみをつぶすことも
つぶされることもなく
きみをしばることも
しばられることもなく
ただきみと在るので
ぼくは
ただしく文字を飼うきみが好きだったし
そんなきみに飼われる
文字になりたいと思っていた

やわらかい夜中
ぼくの胸のうえで震える
文字をそっとつまんで
となりで眠るきみの胸のうえに
静かにのせてみた
きみが身をよじると
彼は腹まですべり落ちて
ほかの文字たちに出会う
文字たちは彼を混ぜて
輪になって踊りはじめた
ぐるぐると回るので
そのうち彼をうしなって
きみの部屋に
また文字がいっぴきふえた

ぼくに飼われる少ない文字よ
おまえたちがふしあわせでないといい
そうしていつか彼のように
きみのかぞくになればいい
それが至上のしあわせなのだと
ぼくの文字なら知っているだろう





#詩 #poem #言葉

生活になるし、だからそのうち詩になります。ありがとうございます。