ななふしぎそのいち、セーラー服の幽霊

 
うちの冷蔵庫にはたいていフルーツがなくて、扉を開けるたび救いなんてないのだとポップに絶望した、コンビニのくじで当たったミルクティーの甘さがやけにさみしくてさ、与えられたしあわせなんてこんなもんなんだろうってテツガクシャを気取ったの、あーあ、さびれた遊園地に行きたいな、そんでメリーゴーランドに乗りたい。
きみはもちろん王子様でもなんでもないので、まわるわたしをただ見ていてね。

ねぇセンセイ、セーラー服を着ている間、時間って捨ててしまえると思っていませんでしたか、いらないからってポイして、次の時間を手に入れられると思いませんでしたか。
コンビニには売ってないけどたぶんお金で買えたりするでしょう、勘違いしちゃったの、ゴミ箱の奥ですすり泣く声にもう戻れなくなってから気付く、冷酷に彼らを裏切った分だけ成長は歪んでる。人生ってそんなことの繰り返しですよね、センセイ、後悔、してますか、してない人なんかひとりもいないって、わたし、あなたから唯一それだけは学んだ気がします。

制服なんかもう着ないのに、永遠に、しなないのだろうねティーンエイジャー。





#散文詩 #詩 #poem #セーラー服

生活になるし、だからそのうち詩になります。ありがとうございます。