うちゅういちぶきよう

 
だれのこともなぐらずに今日を終えたことをほめてほしい、どうしてもなぐりたい人がいたわけでもなかった今の今まで、だれのこともなぐらずにいたことをほめてほしい。
まだじょうずにはさみを使えない茉莉とする手のひらだけのじゃんけんのはなし、ロックもシザーもともだちになれない異星の学校、ぼくたちはじゃんけんのどれでもない異星人、茉莉のとばした紙飛行機が、へろへろと星を出てすぐに燃えつきる。
 
 
きみはどうしてここへ来たの
転校初日、シザーは名前でも何でもなくそれだけをぼくに聞いた
わからない、とぼくは答え、
さらわれたのだとおもう、と茉莉は答える
シザーはそう、とだけ言って
それきりぼくたちに話しかけることはなかった
茉莉はぼくとおなじ星の
知らないまちから来たらしい
ばかだから捨てられたのかも、と茉莉はつぶやく
茉莉の切った紙製の犬が
尻尾のちぎれた犬が
ロックになぐられなかった犬が
合図をする
 
 
じゃんけんぽん
あいこでしょ
あいこでしょ






生活になるし、だからそのうち詩になります。ありがとうございます。