不便なものばかり愛するのやめたい0312

 
わたしときみと詩以外ほんとうに好きなものなんてない気がする、あの子ほど必要じゃない音楽、あの子ほど必要じゃないアイドル、あの子ほど必要じゃないワンピース、あの子ほど必要じゃない、物語。
質量がないとこの星では浮遊してしまうから、必死にかき集めてしがみついてみる、身体はこんなに重たいのに感性がこんなに軽くて、そんなんで詩を書いてごめんなさい、って、謝るポーズ、そんなこと微塵も思ってなくてごめんなさい、天才だと、思ってごめんなさい。

 
口約束がせかいでいちばん尊くて、だからヒト以外、体温以外、触れられるものにあんまり意味はない、いくらでも消費されんのは構わないけど妖精みたいなもんがいい、想像されたい、創造されたい、カミサマってそうやってできたりするでしょう、idol、ホンモノの、idolになっちゃいたいの、そんで泣き喚きたいの、わたしのこと、ほんとうのわたしのこと、なんにも知らないくせにって。

 
絡まる有線のイヤホン、不便なものを美しいと思うのやめたい、嘘、やめたくない、すたいりっしゅで機能的で完全で完璧なものばかりを美しく愛しく思えたらそうでない自分をアップデートして生きられるだろうか、それとも、自分がそうでないから、そうでないものばかり愛してしまうんだろうか。たぶんそうだね、そもそも完全で完璧なひとなんていないのだけど、いないのだけど、そう見える、ふりすら、あきらめてしまった、
夏がまた来ますね、春の匂い、かぎ分けられないから、猛スピードで、咲いてもない桜が散ってしまうし。
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 
 


 

生活になるし、だからそのうち詩になります。ありがとうございます。