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医療の狂気性がすごく好き。だから医療概念が全く違う世界を描きたい。

「好きなことを突き詰めろ」という話はいろんなところでよく聞くのですが。

自分の「好き」は昔から「医療」なんですね。小さい頃に1ヶ月半くらい入院してたことがって、それ以来、病院は自分の故郷みたいにとても好きな場所です。患者として病院に入院していると、すごく安心したんですね。なんというか、守られる立場でいられるからです。担当してくれた小児科医の先生がとてもいい先生だったからかもしれません。

高校生になるまで、定期健診でずっと通ってたんですが、割と大きくなってからは自分の病気がどんな病気で、エコーや心電図で何を確認しているのかなどを聞くことができました。血管が太くなると何がいけないの、とか分かりやすく教えてくれたのも興味深かったです。

獣医の大学に入ってから、もう少し詳しく医療について知るようになりました。大学時代に驚いたのは、外科手術の手技についてです。膀胱や尿道にがんができた時に、尿路を変更して、おへそからおしっこを出すようにするという手術があることに驚きました。おへそから尿を出すって普通の発想ではなかなか出てこないと思ったからです。

他にも、人間の臓器を豚の体内で育てて移植に使おうとする研究があるとか、医療の発展にまつわる研究ってけっこう発想が奇想天外なんですよね。

倫理的にどうなのっていうのは、もちろんあります。でもその、狂気のような発想力に自分はとても惹かれてしまうんですね。だって、豚の身体で人間の臓器をつくろうなんて、ふつう考えないですよね?

なので、倫理観が実在の世界とはまったく違う世界の医療を描きたいんです。

それがこちら。まだ拙いので物語形式としてはだいぶ読みづらいのですが(分かりにくいとよく言われます)、書きながらおもしろさと読みやすさの両方を試行錯誤中です。

この物語の世界では「妊娠」っていう概念もありません。生き物は全部、工場で出産されます。なので、結婚したら卵子と精子を工場に預けて子どもをつくってもらうんですね。ぶっちゃけ、体細胞からも子供はつくれるので、性別とか年齢とかも出産には関係ありません。

そんな世界なので、妊娠ができないわけではないですが、「自分の身体の中で子どもをつくる」というのは、この世界の人たちにとっては、かなりの恐怖体験になります。

他に、「肉食が完全に禁止」という世界でもあります。いろんな動物の身体が混じり合っているので、肉食があるというのは、この世界の人たちにとってはカニバリズムに近い感覚になるんです。なので、工場で生産されたペースト状のものや液体状のもの、固形のものなんかを食べることが多いです。(なんとなく、ドッグフードみたいなイメージ)あとは植物。

それでも、肉食獣がベースの人々は、肉食欲が出てきてしまうことがあり、自分を食べたり草食獣を襲ったりしてしまうことがあります。が、肉食は犯罪扱いになっています。

あとは、もとは人間がつくった世界なので、ヒトが優位になるように設計されている世界観だったりします。

もし、倫理観がなかったら、医療はどこへ向かうのか。狂気の世界が当たり前になっている人々の生活を描きたい。というか、そういう世界に生きていたら、人々はどんな考え方で暮らしているのだろうというのを、物語を通じて自分が考察したいんです。

それが自分自身が創り手として、一番見てみたい世界だったりします。

それ以外に、現代の医療について、患者さんと医療従事者、それ以外の人たちの関係性をもっと密接にするようなことができたらいいなぁっていうのを考えていたりします。物理的なアート作品としてできることを考えていたんですが、なかなかうまくいかないので、最近は(予算の関係もあって)物語側に振ろうかなとも思っています。

最近、医療をテーマにしたマンガ賞があったので、たくさん応募してみました。患者さんと医療従事者の視点の違いを描くというマンガ賞なんですが、患者さんと医療従事者ってゴールを同じくして一緒に歩むチームなので、両者の相互理解につながるという意味で、とても好きなテーマの賞です。

医療マンガの連載とかもてるようになったらとても嬉しいですね。

医療の狂気そのもののような医療SFマンガを完結まで描き切ること。できれば多くの人に楽しんでもらえるようにすること。
現実の医療をテーマにした医療マンガの連載を仕事としてやれるようになったらうれしい。

#もしも叶うなら 今はその2つが一番の希望です。

課題をあげておくなら、難しすぎることと面白くないこと。

おうちごはんマンガがとても短く分かりやすいテーマなので、それをおもしろく描けるようになることから練習するのがいいのかな。物語、なかなか諦めきれないし、やるからには多くの人に楽しんでもらえるものにしたい。もう少し試行錯誤してみます。

みじんこの世界のおうちごはんを伝える旅グルメマンガは、こちらからどうぞ ↓


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