「けんすうさんの講演会~アフターコロナ時代の生存戦略~」で学んだこと
アル開発室というオンラインサロンの学生プランをスタートしようというクラウドファンディングのリターン「けんすうさん講演会~アフターコロナ時代の生存戦略~」が開催されました。
画面キャプチャや内容のシェアがOKだったので(録音・録画がNG)、自分が学んだ大事なポイントをご紹介します!
1)世代ごとのキャリア設計
20代:バラエティ
30代:スペシャリティ
40代:オリジナリティ
50代:パーソナリティ
というキャリアプランは、ちきりんさんのブログでも紹介されているので、こちらも参考にどうぞ。
20代のバラエティの注意点ですが、「建築」「さかな」「プログラミング」みたいに離れすぎないことを意識したほうがいいのでは、という提案でした。
2)なりたい状態を好きなだけ妄想する
自分の未来を考えるにあたり、自分の理想の状態を制限なく想像するというのもおすすめの手段です。
私は以前、NLPという心理学を習ってたことがあります。NLPはコーチングとかにも通じるところがあるんですが、この「制限なく理想を想像する」っていうのは、NLPでも出てきます。
制限なくって言われていても、「自分が届く範囲はこれくらいだろうな」ってけっこう制限をつけてしまうものなんですよね。なので、一度出してから本当に制限がないかというのを考えてみるのはとてもいいです。
私がNLPを習っていた2011年に震災が起こり、NLPの先生たちも被災地に傾聴支援みたいなのに行ってました。私も現地ボランティアに行ったのですが、その時に先生が教えてくれたのは「魔法の杖」という方法でした。
大変な状況にある時って、子どももそれを感じ取って我慢してしまうとかあるんですよね。なので、子ども向けの支援として「もしも、ここに魔法の杖があって、なんでも叶うとしたら何がしたい?」って聞くのです。
答えに対してなんか言うわけではなく、ひたすら「もっと叶うよ、魔法の杖だから、なんでもいくらでも叶うよ」と言って「ステーキが食べたい!」「外国に行きたい!」「プールで泳ぎたい!」「アイスに埋まりたい!」とか、好きなだけ「叶ったらいいなと思うこと」を話してもらうんです。
それだけなんですが、楽しいことを考えまくると気持ちが楽になるんですね。割と誰にでもできる方法だと思いますし、大人向けにやっても楽しいと思うので、ご家族でできそうなら試してみてください。
NLPはペアワークが基本なんですが、人に言ってもらえると、とても思いつきやすいというメリットがあるので、信頼できる誰かに「なんでも叶うよー」って言ってやってもらうのが一番いいです。
この時、相手が何を言っても否定しないこと、全部「いいね!いいね!もっとなんかある?」って感じ肯定的に興味を持ち、ひたすら聞いてあげられるといいです。また、自分がやってもらう時にもそういう人に聞いてもらえるといいですよ。
↑ 制限なく理想の状態を考えたら、どうしたら現実にできそうか、具体的な方法とすぐにできそうなことを考えてみます。
この時のポイントとして私が思うのは「自分でもできそうだと思える」方向で解像度をあげるといいんじゃないかな、ということです。たとえば、例にあるような「会社を立ち上げて時価総額を40億円に」っていうのは、私にはとてもできそうにない気がします。
ほかに、「金鉱を掘り当てる」とか「ハリウッドスターになる」「Facebookみたいな世界的に人気のサービスを仲間と立ち上げる」みたいなのも私にはできる気がしません。そういうのができてる自分が想像すらつかないんです。そんな感じで最初からできる気がしないことは、たぶん解像度が上がり切らない気がするんですね。
「年に1億円入るようにする」という状態になりたかったとして、私の場合には「印税が1億円入る」「アート作品が毎年1億円分売れる」とかのほうが想像がつきやすいですし、そのために最初に動く1歩も自分には想像がつきやすいです。
想像がつきやすい方向でやるといいと思う理由は、けんすうさんの言う「頭の中で考えていること」に実際の生身が影響を受けるから、です。
自分に想像ができないことは、自分の現実にも影響を与えないと思うんですね。
3)自分たちを内包するのは何か
すごくおもしろかったのは、古代から現代までの人間の流れを追ってきたあたりです。いきなり物語が壮大!
このあたりのお話の参考文献は ↑ こちらです。
海の中で生まれた生物たちが、徐々に陸に上がってきて、今は社会の中で暮らすようになってきた、みたいな感じなのですが、、
身体の中に海水と同じ塩分濃度の血液が流れて陸に上がってきた生き物は、いうなれば「身体の中に海をもったようなもの=海を内包する」ようなものだと。
社会の時代になり、知識を次の世代に受け渡せるようになりました。たとえば、見えないのに私たちはみんな「細菌」という存在があることを知ってますよね。だから見たこともなくても、手を洗って予防しようとか考えて行動できます。
社会に必要な「約束事」として大事なのが「法律」と「貨幣」という約束事ですが、どちらも自然界にはないものですよね。
現代はなにかというと「情報」という環境の中に個人がいる、という感じで、物理空間よりも情報空間の中に生きるようになっているという感じでしょうか。
ここからは私の解釈になるのですが、「本体がどこか」という話なのかなぁと理解しました。海で生きていた頃は、生物の本体は海です。海の環境が変わればあっという間に死んじゃう、つまり、海に逆らえないからですね。
生物学の定義で、細胞を生命の最小単位とする考えがあるのですが、1個の「細胞」ががんばって生きていたとしても、本体は「人間」です。人間が死んでしまうと細胞も生きられないからですね。
社会の時代には、自分が属していた「社会」が死んでしまうと、生きるのが非常に大変になってたんじゃないかと思います。(戦争に負けるとかを考えると分かりやすいかも。講演では言われてませんでしたが、社会の時代に内包した「大気」とは、社会のもつ「空気感」ではないかと考えました)
で、現代はというと、自分の属している社会が大変なことになっても、ネット上のつながりがあると割と生きられるんですね。人と会話もできるし、仕事もネットを通じてできます。
ネットを通じて出会う人も、そういう人がいるなーって自分は信じているけど、実のところ一度も会ったことがないという人もたくさんいます。彼らは、自分にとっては「データ上の存在でしかない」はずなのに、みんなが「存在する」と自分は信じています。自分が信じている限り存在している、というのが、とても「脳っぽいなぁ」と私は思っています。
というのも脳は「自分が信じることを現実化させるのに適した臓器」なんです。心理学のカラーバス効果とか有名ですが、「赤」に注目しようって思うと急に「赤い物ばかりが目につく」ようになりますよね。
脳の思い込みの効果としては、ニセの外科手術でも本人が「すごい治療をしてもらった!」と信じ切ってると足が治ってしまうみたいなことがあったり、理論的にはおかしいはずの「見えない手」の存在を感じてしまうみたいなこともあります。
↑ こちらの記事の内容は、
自分の見えないところで、自分の右腕を筆でくすぐってもらう(右腕がくすぐられている感覚がある)。筆で空間をなでているのを見ていると、まるでそこに「見えない自分の手がある」ように感じるというものです。
見えないんだから、手なんてあるわけないし、理論的に手なんかないって分かっているのに「その空間に私の見えない手があって筆でくすぐられてるー!」っていう感じがしちゃうってすごいですよね。
私自身も、目の前で映像の両腕の上にカッターが落ちてくるという安全啓発のVRを体験したことがあるのですが、明らかに腕は映像だし、これはVRだと理解しているはずなのに、カッターが落ちてきた時の恐ろしさが想像以上でした。
匂いが変わると味まで変わって感じるという話もあります。
▼最新のVRで“香り”と“味”の体験が可能に。仮想空間に「食」の可能性は広がるか
https://bae.dentsutec.co.jp/articles/orenda/
もともと私たちが脳を通じて体験している世界自体が非常にあいまいです。「情報の時代」とは、受け取る情報を好きに作り変えることができるようになった時代のことで、受け取る情報をコントロール(選択)できちゃえば、それを自分にとっての現実として生きられる、ということだと私は考えました。
こうなると、どういう情報を「真実」だと自分がいかに信じ込むかっていう部分が重要になってきそうです。信じる者は救われる、じゃないですが、信じる世界が現実化する、みたいな感じです。
最近、インスタグラムで「#肉料理」を検索して高級肉料理を見まくるのが楽しくて仕方ないのですが、人生で一度は美味しいお肉を食べたことがあるので、情報としての「肉の味」を妄想するのが割とできるんですよね。安価に幸福度上がるので、試してみてください。
逆に言うと、全く体験したことがないことだと、想像力ですべて補うというのは難しいのかもしれないですね。
余談ですが、「情報を内包」することになる次の時代はどうなるんだろうと気になっています。
4)情報時代はキャラ経済
情報の時代に生きるにはどうしたらいいか、ということでキャラ経済の話が出てきました。
キャラ経済時代に必要なのは「分かりやすいキャラ」をつくること。
キャラに一貫性があることが信頼を生むんじゃないかというのが、けんすうさんのお話でした。
理由としては、人は比較することで物事を理解するけれど、キャラクターの比較対象は本人の「時間軸」になるため、それが一貫していると信頼されるからです。
キャラクターって、たとえばドラゴンボールの悟空とワンピースのルフィがいたとして、どっちがキャラ的に「上」とかないですよね。「違うキャラだなぁ」って思うくらいで。他のキャラと比較する意味がない=本人の時間軸で信頼する、というイメージです。
悟空がずっと強いやつと戦いてぇって思っていること、ルフィがずっと海賊王になろうとしてること、が彼らの信頼につながってるということですね。
悟空がすごかったとしても、今日は強いやつと戦いたい、明日は宇宙飛行士になりたい、次は海賊王になりたい、みたいな感じで、言ってることがコロコロ変わる悟空はちょっと信用できなさそうです。
一貫性というのは、たとえば「卵焼きをつくりつづける」みたいなことでもよくて、変わりさえしなければなんでも信頼につながるようです。
うどんが好きでよく食べる、コーヒーが好き、マンガをよく読む、魚釣りが好き、とか、10年くらいずっと変わってないもの、とか、これからも変わらなさそうなものを継続して発信しつづけるというのが良さそうですね。
「アメリカに住みたいと思ってる」→「マレーシアでもいいかなと思えてきた」
のように、変わるかもしれないものは、あえて言い続けなくてもいいかもしれません。
5)未来は予想なんてつかない
最後に、そうはいってもキャリアを完璧につくるのは難しいよね、というお話でしめられていました。
講演でも紹介されていた「計画された偶発性理論」というのは、スタンフォード大学のクランボルツ教授が20世紀末に提案したキャリア理論で、この考えには、変化のスピードが速くなりすぎて未来予測の意味がなくなってきた、という背景もあります。
クランボルツ教授がオススメする行動指針はこちら。
(1)「好奇心」 ―― たえず新しい学習の機会を模索し続けること
(2)「持続性」 ―― 失敗に屈せず、努力し続けること
(3)「楽観性」 ―― 新しい機会は必ず実現する、可能になるとポジティブに考えること
(4)「柔軟性」 ―― こだわりを捨て、信念、概念、態度、行動を変えること
(5)「冒険心」 ―― 結果が不確実でも、リスクを取って行動を起こすこと
(参考:『その幸運は偶然ではないんです!』ジョン・D・クランボルツ、A.S.レヴィン著 花田光世ら訳 ダイヤモンド社 2005)
https://mainichi.doda.jp/article/2018/09/10/52.html ←こちらのサイトから引用
けんすうさんは「未来の解像度を上げるために考え続ける」という姿勢を推奨しています。
未来の解像度について「自分の未来と人類の未来」の両方のことを考えて決めるといいんじゃないか、という提案がされていました。
これは、人間の身体に置き換えて考えると分かりやすくて、自分が「細胞」人類を「人間の身体」だと想像します。そうなった時、指の細胞が1個だけ幸せってなかなかない状態なんですよね。指の細胞が1個幸せになってる時は、少なくとも手のひら全体も幸せになってそうです。
逆に言うと、指の細胞である自分が割と不幸でも、手のひらが幸せだったら、自分もそのうち幸せになりそうです。自分を内包する自分より上位のものに幸福をためておく、みたいなイメージを持っています。
じゃあ実際になにをすればいいのって考えると、難しいところではあるのですが、「こうしたら自分を含む手のひらは幸せになるかもな」と考えて失敗しながら学んでいけばいいんじゃないかなーと今は思っていますよ!
けんすうさん、素晴らしい講演をありがとうございました!
アーカイブはまだ数日聞けるので、何回か聞き直して学ばせていただきます!
けんすうさんの考えが投稿されたり、けんすうさんに直接質問ができるオンラインサロン「アル開発室」はこちらから。月額980円です。初月無料なので、とりあえず1か月入ってみて様子見るのがいいんじゃないかと思います!
今回のオンライン講演会は、進行も素晴らしかったのですが、進行のよかった部分はこちらにまとめています。
今後、オンライン〇〇をされる際にはぜひ参考にしてみてください。
アルのライターさん周りの活動もとても活発に。ぜひこちらもどうぞ!
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