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韓国テジョン(大田)のアーティスト・イン・レジデンスレポート~助成金等の条件や設備など

2019年5-8月まで参加していた韓国テジョンでのアーティスト・イン・レジデンスのレポートです。2019年段階のおはなしなので、詳細は応募や参加の前に再度、ご確認ください。

Artist residency TEMI

現在参加中の韓国のレジデンスはTEMIという名前で、韓国のまんなからへん、大田(テジョン)というところにあります。

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話を聞いたら、図書館を改築してできているみたいですね。滞在費無料に加え、1,500,000ウォン(約14万円)の画材補助金が出ます。渡航費や生活費の助成金はなく、画材補助はあくまで画材補助のためだけに使用すること。

また韓国国内で買ったものに限るようで、日本で買った画材とかは領収書を持ってきても支払ってもらえません。また、時期やその年によっていろいろのようですが、展覧会の実施、批評家やキュレーターなどの面談、技術研修などのプログラムが組まれています。

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私が参加している5~8月は一番なにもないみたいで(涙)、面談と研修プログラムはありますが、展覧会はできないっぽいですね(→同時期に展覧会を希望するアーティストがいなかったため、オープンスタジオと合わせてできました)。

オープンスタジオは必須でやらなければならないようですが、個展をやらせてもらえたので、自分はかなり控えめにオープンしました。オープンスタジオか個展かは、その時の予算と状況、参加時期によるみたい。オープンスタジオ=自室+アトリエの公開なので、通常展示みたいにするのは難しいかもです。

おすすめの参加時期は4月。TEMIレジデンスの隣に大きな公園があるんですが、桜が有名みたいなんですね。なので、桜の開花時期にすごく多くの人が訪れるようで、その時期に合わせてTEMIでも大きな展覧会をするようなのです。なんと6000人も人が来るというのだから、けっこう大型イベント。今後参加される方は、4月を含めて希望されることをおすすめしますよ!

応募に必要なもの

TEMIの応募に必要なのはCV、推薦状、ポートフォリオ、作品企画になります。あと割とまれなものとしては、学校の修了証明書の提出が必要なこと。私は獣医師免許の画像(日本語w)を送ったんですが、大丈夫でしたね。合否の結果は非常に早くて1週間くらいで出ます。韓国のレジデンスは結果が早いのは本当に助かります。受かっても落ちても、ほかの予定が立てやすいんだよね。

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倍率については100人以上が応募して合格は12人。うち外国人アーティストが3人です。海外からの応募は少なくて、20人くらいなんですって。韓国国内からの応募より倍率下がってますね。倍率は割と低いほうかなぁという気がしています。過去には私以外の日本人の参加もあったよう。

参加にあたってのレギュレーションなど

ちょっとめんどいですが、韓国の銀行口座をつくらないといけません。画材費用を出してもらうためですが、パスポートがあれば口座もつくれるみたいですね。韓国のレジデンスは今後も参加したいので、あってもいいかなーという気がしています。あとは、ベッドはあるんですが、シーツやタオルなどが提供されないこと。近隣で必要なものを買うとかしないといけません。

韓国は物価はふつうに高いので(日本と同じくらいかな)、私は寝袋を持参しました(割とめんどい)。真冬だとかなり寒いそうなので、荷物も増えるし冬の参加は大変かもしれないですね。薄くて小さめのブランケットだけ支給されます。

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あと、参加時に気をつけたいのは、オフィスが月~金までしかやっていないこと。私は日曜から参加するつもりで飛行機をとっていたのですが、あとから日曜日はやってないーと言われて、急遽、空港周辺に宿を取りました。

また空港までお迎えがあるわけではないので、大田駅からタクシーでTEMIに向かうことになります。韓国は割とタクシーが安いので、混んでても1000円もかからずに着くはず。あと、駅でもタクシーでもクレジットカードが使えます。近隣のスーパーなんかもそうですね。私はあんまり現金を持ち歩きたくない人なので(いろんな国のお金だらけになって非常に困る)、クレカがどこでも使えるのは非常に助かります。

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私は東京から大阪、大阪から清州に飛びましたが、もしかすると、東京からソウル、ソウルから新幹線とかのほうが、東京からの場合は便がよく安いかもしれません。LCCを使いましたが、超過料金がけっこうかかってしまったし、ソウルに住む友人もいるので、ソウルに数泊して移動とかのが楽だったかなーとは思っています。調べてみてください^^

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アトリエスペースとお部屋が一緒になっています。トイレ、シャワー、キッチンは共用。また図書室、パソコン室、木材等の加工部屋などが別にあります。ほかにギャラリーなどの展示スペースのほか、セミナールームも。なんか学校の寮っぽい感じ。

ほかのレギュレーションとしては週に3日はレジデンス内で作業しないといけないということ。初めてタイムカードがあるレジデンスに出会いましたよ!いる時は毎回押さないといけないみたいですね。

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海外で展覧会とかがあって長く留守にする場合など、特別な状況の時は事前に連絡して承認を得ること。また、訪問者がいる場合にも事前にゲストの名前と滞在時間などの報告が必要です。また、訪問は自分のアトリエのみで共有スペースなどには人を入れてはいけないことになっています。これはあれだね、ほかのアーティストさんの新作があるかもしれないから、そこらへんの保護ってことかなと。

ほかにまぁ、ほかのアーティストの迷惑になるほど騒ぎすぎないとかモノを壊したら弁償です、とかはもちろんあります。

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近くに来る予定があり、場所だけ見てみたいという方は、ギャラリーがオープンしている時期がいいのかもしれないですね。サイトに次の展覧会日程などが出ていると思うので、ご参照ください。

参加アーティストはやはり韓国人アーティストさんが多くてですね。英語が話せる人があんまいないです。しかし、スタッフさんの一人が日本語話せるんですね!なので、語学が壁になって海外応募できない、という人には割とおすすめかも!

※ただし、応募資料は英語で作成が必要です。(わたしも全然上手じゃないです)

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市内の地図などをもらったのですが、前回の初韓国ウルサンの時よりも、ダウンタウンにあるレジデンスなので、画材屋さんなどにも歩いて行ける距離なのは助かりました。

あとアーティスト名がある人は、事前に「すべてのオフィシャル資料はアーティスト名でお願いします」って何度か言っておいたほうがいいかも。前の韓国レジデンスの時もそうなんですが、韓国のレジデンスはアーティスト名を割と無視しがちです。言っておかないと、壁とか垂れ幕に書かれるアーティスト名が全部、本名になってしまうんですね。TEMIでは名刺もつくってくれてたんですが、やっぱり本名だったよ。。

その他のアート関連情報はこちらから

▼現代アーティストになりたい人のための~初心者の第一歩から海外展開まで役立ち記事まとめ
https://mijin-co.me/art_article_matome/

▼Oumaのこれまでの活動経過はこちらから
https://oumavet.com/artwork.php
(CVのページにこれまでに参加したレジデンスの一覧が出ています)

▼OumaのArtStickerはこちら

▼Ouma作品はギャラリータグボートさんで購入できます。
https://ec.tagboat.com/eccube_jp/html/products/list.php?author_id=100354&tngs_flg=0

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