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#コルクラボマンガ専科 第11回講義まとめ~作家として長く活動していくために意識すること

コルクラボマンガ専科というところで、物語表現について勉強中です。
今日は佐渡島さんの第11回講義のメモです。

①マンガ家の成長ステップ:4象限

1からスタートして、2→3→4と成長していく。

ビジネスの中心は、第2(模倣・絶対)第3(絶対・創造)で行われている。その他の領域にすると、ビジネスにするのは一気に難しくなる。

どの象限のほうが偉い・すごい、というわけではなく、たとえば情報マンガを極めたものが石ノ森章太郎先生の「日本の歴史」。

コンセプトが明確(絶対)とコンセプトが曖昧というのは、どういうことか?

作品でいえば、『ワンピース』の仲間は「必ず助けるもの(=絶対)」。助けない、という選択肢はないので、そこは揺るがない。「助ける」と決まっていくことを描いていくのがコンセプトが明確(=絶対)の象限にあるマンガであり、これはエンタメになる。

『宇宙兄弟』でいえば、ムッタやヒビトは、物語の過程で「死んでしまう」可能性もある。「絶対死なない」ということはあり得ない。答えがない問いに創作で答えようとすることは、答えができらないために、曖昧な問いになり、答えようとすること自体が創作活動になる。

これが第4象限にある、アートとしての作品の考え方で、アートの場合は、生きるとは何か?など問いかける姿勢が作品になる。
(※あくまでコルクラボマンガ専科での考え方です)

まだ第1象限にいる人が、すぐに第4象限にいこうとし、うまく伝わらないことを「これは問いかけなんです」と考えてしまうことがあるが、そういう時は、表現方法が未熟なために「曖昧」になってないかを解像度高く見極めることが必要。自分の表現が未熟で読み手が分からなくなっていることを「問いかけている」とするのは、違う。

②目標の立て方

・高すぎる目標は絵に描いた餅になりがち。
 世間がいいとする目標を立てるのはやめたほうがいい。
・振り返って悔しくてちょっとできそうな課題を目標にする。
・毎日5分、工夫をしたら、もっとフォロワー増えてたな、もっとマンガがうまくなってたな、みたいなことはあるか?毎日1時間ではなく、毎日5分だけ積み重ねていくことを考える。それが、できそうなら毎日やる。

③マンガ家にとっての「振り返り」の8つの方向性

健康で幸せになることを目標として、自分の曼陀羅チャートをつくる。

【目標達成のツール:曼陀羅チャート】
曼陀羅チャートについての解説はこちらにあるので、もしよければどうぞ。一番中央に作家活動を長く続けるために「健幸になる」を入れ、そのために自分はどうしたらいいかを埋めていきます。

8個中6個は簡単すぎて絶対できることをやる。
自分にとってチャレンジはいくつだといいか。
習慣の力を使うために、1.1倍の挑戦をすることが大事。
1~3か月ごとに見直し、完全に習慣になったものは外し、別の物を入れていくのがいい。

1)体力をつける
プロとアマの差は直しの回数。プロになればなるほど、読んでは直す、読んでは直す、のが何度もできる。これは体力があるためでもあるので、自分の体力をしっかりつけること。
才能は枯れないが、体力は枯れる。

直すためには、自分のマンガを何度も読み直し、自分の作品を客観的に見ることが必要。マンガ家にとって大事な力は、自分の作品に感想を言い、それを踏まえて直すこと。自分の作品よりも、他人の作品の感想を言う方が楽。なので、他人の作品の感想を言うことから練習し、自作の振り返りに生かすとよい。
感想と自分の人格を分けて考えるようにする。

自分の感想がうまいかどうかを知ることが大事。
→他の人の感想を聞き、相手の感想のうまさを学んでいくことで、自分の作品に対して「いい感想」を言うことができるようになる。

褒めることの方がダメ出しの方が難しい。
→自分にダメ出しをしてしまう場合は、楽をしてると考えるとよい。

2)メンタルを安定させ、自信をつける
自信をつけるのに必要なことは量だけ。曖昧・模倣の象限にいる人たちが自信をつけるためにできることは量だけなので、結果が出ないことで自信をなくさないこと。結果で自信をつけずに、量で自信をつける意識をもつ。また、時間を使わずにたくさんの量をつくる、ことを目指すと自信になる。

3)金銭的に余裕がある
副業としてやりながら、フォロワーをためつつ、少しずつマンガの仕事を増やしていくのがよい

【お勧めのサービス】
noteメンバーシップ
PIXIV FANBOX
Kindleインディーズ

【作品管理】
紛失を防ぐために、作品の管理を自分で行うこと。
縦スクのフォーマット:800×1200、600dpi

4)面白いマンガを描く

まずは技術を身に着ける

・ストーリーの型を身に着ける
型の中に入れる「感情」が作家の個性になるため、まずはストーリーの型をしっかり学び、模写をする。
キャラがオリジナルの感情を出すのは、キャラにしっかりした「主義」があるため
ストーリーの型はすべての象限で使えるので、絶対的な型は学ぶべき。

エッセイマンガは出来事を描くもの。素材がすでにあるので、冷蔵庫の中にあるものを使ってつくるマンガ。
ストーリーマンガは築地市場に行って、一番いい素材を選んできてつくるマンガ。

できることをたくさんやっていくことから成長していくのが、よいのでは。
誰が何をやっているかを読者に伝えることができるようになってから、ストーリーマンガに進むのが成長ステップとしてはお勧め。

・観察力の土台になっているのが暗記力
・自分の本当に伝えたいことは、ワークをやって引き出さないと見つからないほど深層にある
・出来事(情報)→受動的感情→能動的感情、を意識すること。新人の内は出来事ばかりの情報マンガになりがち。
・感動=意外性+共感性+カタルシス

5)SNSを活用できる

自分のSNSをメディアにするには「編成」「特徴」を意識すると良い。

特徴:どんなアカウントなのか
編成:何時にどんな投稿がされるのか

投稿内容の編成表をつくり、10時、12時、22時に投稿するコンテンツを先に決めておく。曜日ごとの内容などを決めておくとよいかもしれない。

1つ1つをホームランにするよりも、続ける意識をもつ。

6)チームを作る
マンガ家を中心にしたチーム。
自分がリーダーとなり、各分野のプロとチームをつくる。

スケジュールを守ることが大事なのか、作家が変わることで「どこまでの揺らぎ」を守ることが大事なのか、どちらが優先なのかを話し合うことが大事。

「苦手」だと思ってることは、ただ経験が足りてないだけでは?

チームのメンバーとして、自分はどんな役割を果たせるのかを考える
いい作品をつくる=コミュニケーションがうまいということ

小さなチームの周りの多くなチームがコミュニティ

7)ファンコミュニティをつくる
作家と作家チーム
→Committer:熱狂、無二(有料ファンクラブで伝道役、リアルなエンゲージメントが強い)
→→Acceptor:支援(グッズ購入、有料ファンクラブ参加、メルマガ購読)
→→→Liker:愛着、信頼(エンゲージメントの高いSNSフォロワー)
→→→→User:共感(SNSフォロワー、初回書籍購入)

フォロワーがまだ少ない時でも、一生懸命応援してくれる人たちは、バンドを始めたばかりにライブ会場に来てくれるファンと同じ!

コンテンツをアップデートし続けることで、コミュニティ組成の要諦
完成作品をアップするだけではなく、プロセスを見せる時代
質の高いインフォメーションを提供するのではなく、質の高いコミュニケーションをする時代になっている。

・制作プロセスの開示
・制作への想いを記事化
・完成マンガを発表
・商品化、イベント出店

どうしたらファンと質の高いコミュニケーションができるのか」を考えること。コミュニケーションを楽しむと考えるのがよい。

創作はコミュニケーション。
最後に何と言われると、読者はつづきを見たいと思えるのか。同じように、マンガが描き終わった後、なんと声をかけられると、自分はさらにつづきが描きたいと思えるのか。モチベーションが続かない場合には、自分になんと声をかけると続けられるのかを考えてみるとよい。

いい感想とは、次も描きたい!と思うような感想を言えるのが「いい感想」

8)別コミュニティと接する
マンガ家以外の顔を見せられるコミュニティに薄くでもいいので、たくさん参加するとメンタルが安定する。幸せな人は、だいたい5,6個のコミュニティに入ってることが多い。

その他の講義内容はスキルノートにまとめているので、もしよければこちらをどうぞ!


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