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ノンクリエイティブのためのクリエイティブの身につけ方

山口周さんの著作「世界のエリートはなぜ「美意識」を鍛えるのか?~経営における「アート」と「サイエンス」~」に、これからの時代、アートが大事!みたいなことが書かれてましたね。(超ざっくりですが)

単純労働が機械に代替されるから、人間らしいクリエイティブ(創造性)が大事、それを活かして仕事をしたほうがいい、みたいに言われることがありますが(超ざっくり)、もともとクリエイティブ職種じゃなかった人でも、クリエイティブを鍛えて実務に活かせるようになるかどうかを考えてみました。

現在は現代アーティストをそこそこ真面目にやっている私ですが、もとは獣医だったので、アートとかは無縁だなぁと思っていました。どちらかというと科学大好きでしたし、今もそこは変わってないので自分はサイエンスな人だと思っています。

ひょんな出会いからアートの魅力に気づかされたんですが、現代アートがおもしろいなぁって思ったのは、現代アートが科学だったからなんですね。もっとセンスがある人だけがやってるものかと思ったら、そういうのもたくさあるけどそれだけじゃなくて。自分にとっては再現性を求めない科学、みたいな感じだったんです。アーティストの思考過程、哲学的な部分にとても惹かれたという感じでしょうか。

改めて現代アートをやり始めてから科学を振り返ると、医療はとてもクリエイティブだなぁと。手術や移植、医療機器などの発展は、アート的な発想の飛躍があってこそなされたものなんじゃないかっていう気がします。

他の分野はよく分からないんですが、たぶん人間の仕事は基本的にぜんぶクリエイティブなんじゃないかっていう気がしています。クリエイティブじゃないって思っていても、実は意識せずにクリエイティブを発揮しているんじゃないかと。

なので、もしもちゃんとクリエイティブを意識したら、ノンクリエイティブだと思っている仕事の人も、自分で使いこなせるクリエイティブを身に着けられるのではないかと考えました。

クリエイティブには法則がある

現代アートをちゃんと学び始めて思ったのですが、現代アートってまったく無秩序に見えて、けっこう法則があるんですね。現代アートだとたとえば、良い作品は「発明品」であるってよく言われます。これまでにないものであることが重要視されるってことです。

もともと小説家になりたくて諦めたことがある自分は、小説の書き方やエッセイの書き方も勉強したことがあるんですが、おもしろい小説は「どんでん返しの結末」から考えると書きやすいとか、エッセイは「共感」できることを書くとか、いろいろコツがあります。

誰もがクリエイティブだなぁって認めるようなアートや小説、マンガ家さんでも、なにも指標がないところから創作してるわけじゃなくて、基本的に「こういうことを意識するといい」っていう公式があるんですよね。こういう公式があるところが、とても科学っぽいなぁと私は思っているのです。

なので、ノンクリエイティブがクリエイティブを身に着ける場合には、まずクリエイティブの基本公式を知るといいんじゃないかなって思います。

基礎的なやり方を身に着ける(情報収集)

基本的にはアートの話になってしまう感じなんですが、たぶん他のジャンルについても同じじゃないかなと思ってることです。

創作をしながら、まずそのジャンルの本を読みまくります。この世で誰もやったことがないクリエイティブジャンルをゼロから構築するとかでない限り、関連書籍は死ぬほどあります。

アート系だと考え方を学べるのがこちら。こちらは、クリエイティブ全般の考え方に通じるものなので、どんなジャンルでも読んでおくのはいいかなーって思います。すべてのクリエイティブの基本は「自分の答えを創る」だと思うのですが、そのための考え方が身に着きます。

自分の意見だと思ってることのほとんどは、冷静に考えると誰かすごい人が言ったことなんですよね。「常識を疑うべき」って自分の意見としてもってるつもりでも、そもそも「常識を疑う」ってあちこちで聞きませんか。自分が最初に考えたことではないですよね、たぶん。

これから求められるクリエイティブってたぶん、他の人にとって正しいかどうかじゃなく、自分の個人的なアンサーなんじゃないかと思うのです。だからこそ、自分で考えて自分の答えを出せるといいんじゃないかなと。自分が考えたことに間違いはないので、自分がこれだと思える正解の中で生きられたら幸せだなって思います。

あと、VTS(ビジュアル・シンキング・ストラテジーズ)の考え方は、クリエイティブの全ジャンルに役に立つんじゃないかと思っています。

このあとの2冊はアートよりの話になってしまいますが、現代アートの歴史みたいなのをざざざっと学べるのがこちら。解説がめちゃくちゃ分かりやすいです。

有名アーティストの作品のおもしろさがポイントでまとめられていて、絵つきで分かりやすいのはこれ。現代アート意味不、、っていう人がアートに興味を持つ時、最初の壁が「なんでこれが良いのか分かんない、、」だと思うんですよね。

名の通った作品のどこが評価されているのか、良いとされるもののポイントが分かってとてもよかったです。

新しいことを学ぶ時には、まず図書館とかに行って関連書籍を全部借りて乱読するのが一番いいかなーって思います。

自分の答えを創るっていうクリエイティブ全般の基本公式の上に、自分が特に身に着けたいジャンルのクリエイティブの公式を乗せていくっていうイメージでしょうか。

強みと弱みを把握する(周りの観察)

次にやるのは、そのクリエイティブジャンルで自分の強いところと弱いところ、勝負できそうなところを把握することです。

実際にそのクリエイティブジャンルで活躍している人のセミナーに行ったり、アートなら展示を見に行ったりをします。この時、見に行くのは「なるべくトップクラスのもの・人」にすること。つまり、その業界で「良い」と呼ばれているものが何かを知るっていうことです。

すでに活躍している人たちと比べて、自分が勝てそうなことは何かっていうのを考えます。アートをやり始めた時の私は、正直言ってなにも勝てるところがなくてですね、、突破口にしたのが「獣医」と「日本人であること」でした。もはやアートですらないっていうね。

初期から海外レジデンスを受けまくっていたのは、キャリアを積めることもありますが、日本で日本人アーティストと戦って全く勝てそうになかったからです。でも日本人は割と英語が苦手で、英語への苦手意識のせいで素晴らしいアーティストさんでも海外応募はしてないみたいなことがあったんですね。今後、翻訳ソフトとかが充実したらその壁はなくなりそうですが、今はまだ海外のアートプログラムの応募は会話できる英語力が必須です。そんなわけで、海外なら日本人アーティストと戦わずに済み、日本人が少ない場所を受けるとむしろ日本人っていうことだけで強みになることがありました。

あと、獣医からアーティストっていうのも、経歴が珍しいからそれで興味を持ってもらえることが多かったです。

また、現在の私のアート作品制作では「可能な限りセンスを使わずに創る」ことを考えています。センスについては、ぶっちぎってる人がやっぱりいて、そこで戦うと絶対に勝てないからですね。センスではなく、法則をつくって理論で創作するつもりでいます。

日本はセンス重視主義なところもあるんですが、同じように理論で音楽をつくってる友人がいて、彼は黄金比とかを使って理論的に主題の位置をくみ上げて、有名な作曲賞のファイナリストに選ばれてたことがありました。なので、なんでもいいと思うんですね。

センスで頑張りたいなら、センスで勝てそうなのかを考える。
アイデアで頑張りたいなら、アイデアで勝てそうなのかを考える。

ドラッガーが強みの上に築けって言ってましたね。センスのあるかっこいいアートってすごいな、うらやましいな、こんなのできたらいいなって思うんです。他にも、おもしろい文章を書ける人、驚くほどの発想力がある人、みんなうらやましい。自分でもできたらいいなって確かに思います。

でも、それをやって自分が輝けるかっていうと別問題なんですよね。私は頑張ったけど、センスでは勝てないです。発想もそこそこです。笑いもつくれない。勝ち目があるとしたら、理論的に作品をくみ上げること。思想の構築かなぁと思っているのです。

アートをやろうとした人が、最初に「日本人」で戦うことにしたように、たぶん、人ってそれぞれなので、ちゃんと戦える部分がみんなにあると思うんですよ。なので、自分の得意・強みってなんだろうって考えるのが大事かなぁと思っています。

強みを活かして反応を見る(数字で評価)

アル開発室というオンラインサロンに入ってよかったことの記事にも書いたんですが、、

自分が強みって思ってることは、本当に強みなのか。それを数字で機械的に評価するっていうことの大事さを、今さらになって痛感しています。

強みって「自分が得意」って信じてることじゃなくて、「他の人がすごい」って思ってくれることなんですよね。友達とか知り合いじゃなくて、見知らぬ人がどれだけすごいと思ってくれそうか。

現代だとPVとかRT数とか、数字の反応でけっこう見られるので、ちゃんと数字を追うっていうのが大事でしたね。もっと早く気づきたかったです(かなしみ)。

ちなみに、私は数字を追うまで、アート系の現地情報があること、アートの解説、珍しい観光地の情報、みたいなのが自分が提供できることで一般の人にも興味を持ってもらえることじゃないかと思っていました。

・・・ぜんぜん的外れ(かなしみ)

希少情報ではあるけど、ニーズが全然なかったので、今出すことじゃなかったんですよね。まだ自分が全然知られてない時には、必要とされることが多くて自分が強い部分を提供できるといいです。

強みの計測についても、文章がいいのか、音声がいいのか、動画がいいのか、営業をかけるのがいいのか、コンテストがいいのか、コラボがいいのか、クラウドファンディングがいいのか。動画でもYouTubeがいいのか、SHOWROOMがいいのか、0000studioがいいのか、TikTokがいいのか、プラットフォームやサービスによっていろいろなはず。

自分の中で「これが強みでは」と思ったものを、いろんな方法で試してみるのがいいかなと思います。

ここから有料記事にしてしまいますが、こちらで配信しながら執筆していて、アーカイブも残しているので、頑張ると全部タダで読めます。

強みを理想の状態と交換する(生活の入手)

クリエイティブの基本公式が分かり、何が良いとされているのかも理解して、強みも分かったぞってなったら、次にやりたいのは理想の生活の確保、なんですよね。

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