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11月の木曜日「今もときどき」

 今年もクリスマスツリーを出した。去年もちょうど今ごろに出していたようだ。土曜日にばあばの家に行って帰って来てから、今年は僕と娘の二人で出した。この日は妻が仕事で遅くなる日で、「ママかえってきたら、ツリーがでててビックリするんじゃない?」と悪戯っぽい笑顔で言っていた。

 例によって、クリスマスプレゼントはもう用意してある。万が一にも、売り切れになってしまったら大変だからだ。今年のご所望はキッズパソコンで、すみっコぐらしの柄のもの。少し前から、僕のアイパッドの外付けキーボードでローマ字入力を少しだけやっていて、折に触れて練習したいと言ってくる。やはりモノには順序があるので、手で書けないウチから教えるのはどうかと思っていたけれど、ひらがなカタカナはある程度書けるようになっているので、まぁ良いか、と教えている。

 よく行くおもちゃ屋さん(ビックカメラ)でも興味津々で触っていたし、週一で英語教室に通っているので、アルファベットもなんとなく憶えているから、教えると結構打てたりする。まだ法則性というか、母音と子音の関係性には気がついていないようだけれど、なんとなくは理解し始めているようだ。

 前もってプレゼントを用意しておくのは売り切れを心配しなくて良いという利点があるのだけれど、やはり懸念されるのは心変わりだ。なので、もうサンタさんには伝えたから、これから先の変更やキャンセルはできない旨を言ってある。いまのところは問題はなさそうだ。

 この前の日曜日には地域のイベントみたいなものがあり、通っている保育園の仕切りでダンスを発表することになっていて、みんなでそれを見て来た。ジャンボリーミッキーというディズニーランドで可愛いお姉さんが踊っているダンスを披露していた。YouTubeのショート動画によく上がってくるのでたまに観ている。

 しかし、2023年もあとわずかだ。毎年思っているが、ついぞこの「2023年」に慣れることなく、「2023年」が終わっていく。そして「2024年」だ。一昔前なら近未来SFの舞台となるような年だ。ここ数年、こんなことばかり思ったり言ったりしている気がする。でも、振り返ってみれば、きっと今年の出来事は「2023年」の出来事として、しっくりとした感触で思い出されるのだろうとも思う。娘が生まれた「2019年」は2019年の出来事としてしっくりくるし、初めて歩いた「2020年」は2020年としてしっくりくる。当時あれだけ懐古主義的だと良くも悪くも言われていたストロークスのファーストだって、「2001年」の音がしている。何も知らなくても、60年代や70年代の音には聞こえないだろう。

 それでいうと、例のビートルズの新曲は奇妙な聞こえ方だった。事前情報をほとんど何も知らなかったので、リリースされてから予備知識なしに聞いた。ビートルズの新曲、てっきり過去にレコーディングされていたけれど、失われていたと思っていた未発表曲が発見されて、最新のデジタル処理を施したものだと勝手に思い込んでいたので、ドラムが入ってきたときに「あれ? こんな新しいドラムの音することってある?」という違和感があった。なんか最新のデジタル処理をしているのだろうから、音が綺麗なのはいいとして、それにしてもドラムの奏法というかドラムという楽器のあり方みたいなものが、当時のものにしては新しすぎる、と感じた。よくよく調べてみると、ほとんどのパートを新たにレコーディングしたということで、腑に落ちたけれど、あれは本当に奇妙な感覚だった。

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