【短編小説】 エレベータ
「お疲れさまでしたー」
「お疲れさま、気をつけて」
先輩と同期と別れ、2回左に曲がり、さっきまで飲んでいた店のちょうど裏に着いた。呼んでおいたタクシーに乗り込む。
金曜日といえどもてっぺんを過ぎたというのに煌々と明るいこの街は、端的に言ってどうかしていると思う。遊ぶには適した街だが、ここに居を構えるのはゴメンだ。
タクシーは20分で自宅マンションまで送り届けてくれた。エントランス横のコンビニは夜には閉まっていてもはやコンビニではないが、彼らだって営利企業なのだから儲けのない時