春が来なくても、君は綺麗になった

友人に会ってきた。
大好きな人で、会うのは半年ぶりくらい。
彼女に貰ったピアスをつけて会いに行く。

もう5年くらいの付き合いになるけど、どんどん綺麗になっていく友人に、会うたびいつも、少し寂しくなる。

人は変わっていく。自分では分からないけど、きっと私も昔のままでは無いはずなのに、泣きたくなるくらいに寂しいのは、すごく自分勝手だなあと思う。

内面はきっとそんなに変わっていなくて、でも、社会人らしくはっきりと物事が言えること、なんか堂々としてる。大人って感じ。
ちゃんと自分で積み重ねてきた自信があって、自分を持ってる。かっこよくてかわいい。

駅の改札を抜けて、友人を探す。
明るく伸びた髪、知らない服。私の知らない彼女の時間。もうきっと、私はいらないって勝手に思ったりする。

私と違って一人暮らしが長い彼女は、もう誰とも住めないとか、恋人も要らないし、自分の時間があれば良いと言う。そんな彼女でもきっと、いつか素敵な男性と出会って、仮に一緒に暮らせど一生「友達」のままの私と違って、恋人になって家族になっていくのかも。そんなことをよく想像する。心構えをしておかないと、突然放たれる「彼氏できた」の一言に耐えられそうにない。

「25までお互い独り身だったら、一緒に暮らすのもありだよね」なんて、いつかに話した冗談を、私だけずっと覚えていたことが気持ち悪かった。

彼女と家族になりたいとか、そんなことを思っているんじゃないけど、一生このままかあとか思ったりした。

私たちは友達だ。

大人になるってこういうことなのかな。足並み揃えた学生時代と違って、歩む道もスピードもバラバラになっていって。私たちを繋ぐものってなんなんだろう。思い出か、価値観か、推しか、愚痴か。

一緒に居て楽しんでくれてるかな。
私には分からない。

私は今日、楽しいより、苦しさが勝ってしまった。でも彼女が悪いんじゃなくて、私の問題なんだよな。
ごめんね、次に会うときは、ひとりで勝手にこんなことを思わない私でいるね。


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