夢じゃない

戦争が始まって、1ヶ月が過ぎた。
相変わらず状況は悪化するばかりで、私はもう、毎日戦争についての情報を得ることに心が疲弊して、2、3日に一度しか見ることが出来ていない。

誰か狂った王様を止めて。こんなことがこの現代に起きていることが、まだ信じたくない。全部夢だと言って欲しい。

私がこれまで生きてきた20数年の間、きっとずっと地球のどこかで、紛争も戦争も起きていて、生活をめちゃくちゃにされた人が沢山居て。それを私は見て見ぬふりをしてきたんだってことを、思い知らされる。
よく知る名前の国が関わっていることで、こうも現実さを増すのか。それとも私が大人になったからだろうか。

戦争の夢を見た。絶望と、恐怖と悲しみばかりの。目が覚めて、夢で良かったと心から思った。

もしも今のこの状況が日本のものだったとして。現実のニュースを追うのがつらくなったというのに、眠る前は自分に置き換えて想像をして、なかなか寝付くことができない。

家にミサイルが突っ込むところ。手や足を失うかもしれないこと。道端で誰かの亡骸を目にするかもしれないこと。広大な海に囲まれた島国で、私たちは一体どこに逃げられるだろう?地続きの国と違って、私たちは空か海を渡るほかない。どちらも、あっさりと命を落とす予感がする。
地下壕など近くにない。地下鉄も遠い。いぬと暮らす私たちは、置いていくという選択を迫られるのだろうか。
男性というだけで、みんなが自国を守るために命をかけるだろうか。女というだけで、逃げろと言われるだろうか。子どもは助かるだろうか。私たちを助けてくれる世界だろうか。

考えたって仕方がないこと。
今起きていないことを考えるより、今苦しむ人が助かるように、少しでもできることをしなければ。
できることなんて、ないかもしれないけど。

各国のお偉いさんたちの会談をニュースで見た。みんな綺麗なスーツを着て、挨拶や談笑をしていた。大人数で並んで記念撮影をして。
戦争との距離を思うばかりだった。
こんなにも遠い。

平穏が保たれますように。一刻も早く平和が戻りますように。破壊や殺人や暴力が、ひとつも正当化されないことを願っている。

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