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鏡よ鏡

 小さい頃よく鏡の前で一時間くらいぼんやりするのが好きでした。鏡の向こうに別の世界が広がっているような気がして・・・。しばらく眺めていたらアニメのように鏡に吸い込まれて、いつもとちがう場所や暮らしが経験できるのでは、とすら思っていた。

 鏡に映る自分は、どこか違うところにいる別人だと勘違いしていたので。鏡に映るもう一人の自分を見ては、お菓子をあげようとしたり手を振ってみたり一人で遊んでいる間に結構な時間が経過している時もしばしば。

 家族は「何と自分大好きな子供だ。」と思っていたそうです。全然違う理由で鏡が好きだったのになぁ。小学生くらいに上がると鏡の原理が理解できるようになり、自然と鏡の前で時間を潰す事もなくなりました。

 大人になると今度はあまり鏡をまじまじと見ることが無くなったと気付きました。多分小さい頃ほど純粋に色々夢をみれなくなったからでしょう。

 小さい頃にあった独創性や感受性が、少しずつ失われていったのかもしれません。これが大人になるということかと思いました。良い事も悪い事もたくさん経験して、今日も「新しい自分」に生まれ変わる。

 ほんのちょっとだけ自分の人生に期待しながら・・・。

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