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オトナだって

オトナだって、甘えたい。オトナらしく、甘えたい。

有名なチョコのキャッチコピーでしたね。当時このポスタースーパーで見かけた時に度肝を抜かれました。閉塞した日本社会を象徴してるようでしみじみ味わい深いフレーズ。まるで時間の経過とともに内容が、よりはっきり深く刻み込まれていくような。そんな広告でした。


 この広告にご出演されていた女優さん自ら過去のポスターをsns上で公開して、懐かしんでおられました。もう10年前だそうです。10年経ってもしかしたら復活しそうな雰囲気もあります。むしろ日本人全体が何か言葉の奥深くにあるものを感じ取る感性に関して10年前より格段に上がっているような気もします。全く色あせないフレーズを作れるコピーライターさんもまた素晴らしい。

 情報がこれだけ高速化した社会で新鮮味を保ち続けるのは困難です。ともすれば「もう古い」なんて何でもすぐ一蹴される時代に素敵な広告に出会えました。

 私は最近小さいお子さんについても色々思うようになって・・・。子供の辛さ・息苦しさを表現するツールとしての広告にも注目しております。冒頭のフレーズをアレンジして、

 コドモだって、甘えたい。コドモらしく、甘えたい。

 仮に別の言葉を埋め込んでだとしても、このフレーズはかなり汎用性が高いと言いますか。きちんと成立して、また別の深い意味を持つ言葉になり得るんですよね。使い勝手のよい言葉だからこそきっと10年前にも受けたんだと思います。ただ願わくば虐待防止キャンペーンとかそういうものには決して使って欲しくないですね。

 広告になったからといって全てのしんどさが軽減される訳では無いけれど・・・。でも私は10年前のこのキャッチコピーを見て正直心が救われた気になりました。オトナも辛いよね以上のものを世に提示してくれたというか。あれから10年経って以前とは違う受け止め方解釈もされうるように思います。

 経費削減も良いけど、こういう傑作が生まれる土壌そういうものはこれからもずっと大事に残していって欲しいな。
 





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