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今がない現在

「ここには過去と未来しかない」東京の夜景を見て、小説の登場人物が放った一言です。私は過去と未来しかなくてここが馴染めない、とセリフが続くのかと思ったら、そうではなく・・・。むしろそんな東京の風景が好きなのだと。そっか現在を切り離している場所に、安堵感を覚える人もいるんだ。


 なるほど私にはない視点。どちらかというと今を生きている感じがしないって虚無感に通づることが多い。でも必ずしもそうじゃないんだ。今を深く考えると、しんどくなるのかもしれません。


 近未来的な建物や技術と、まだ歴史的価値の残る建物が共存する街東京。東京に限らず鎌倉であったり、そういう場所に赴き過去を感じ入る。人は何とかバランスを保っているでしょうか。


 ただ現在を感じられる場所というのも、どこかにみつけられたら。もっといいですよね。今があるのはsnsかといわれれば、ちょっと違うような・・・。そういえば今ってどこにあるんだろう?道端に落ちているわけでもない。


 今を追うという行為は、徒労に終わることも多い。流行のお店とか食べ物とかのチェックでもない。素敵な暮らしぶりを見て憧れる?いやいやそれも違うか。結局何が今なんだろう。


 誰かの作った今に乗せられて、私たちは踊らされているのか。悩ましい問題です。政治の投票では今しか見てない。そういう投票行動を起こす人も多いのに。


 きっと見たくない今と、見たい今が共存しているのだろう。考えたくない今からは目をそらし、見たい今には刮目。虫が良すぎる話といえばそれまでですが・・・。私の感じる今と誰かの感じる今にも、ズレがあるんだろう。今がない暮らしは、そのぶん摩擦も起こりやすいですね。

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