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台湾ホンハイの子育て支援「0歳から6歳に毎月約7万円支給」 3年経った成果は?

台湾・ホンハイ(鴻海)グループの創業者である郭台銘が2019年に国民党の総統予備選挙に立候補した際、「0歳から6歳は国が費用を負担する」と主張し、大きな注目を集めた。

ホンハイは社員の家族を大切にする取り組みとして、0歳から6歳の子供がいる社員に対して月額15,000元(約7万円)の育児手当支給を2020年に開始し、3年が経った今、累計1,574人の子供が支給対象となり、女性社員の産後復職率は89.5%までに上昇した。

ホンハイはこの取り組みの開始後に得られた3つの大きな成果を発表した。育児手当を充実させることで、女性人材の採用に繋がっただけでなく、離職防止にも成功したという。ホンハイは今日30日、初めて同社の育児支援の統計データを公表している。

成果1:出産の支援
3人の子供がいる夫婦28組、2人の子供がいる夫婦364組が対象となった。

成果2:女性人材の取り込み
2015年に育児手当大幅に増額して以降、女性社員比率は2014年の16.9%から昨年は23.2%に上昇した。また、出産後の復職率も69%から89.5%に向上しています。

成果3:少子化問題の解決
「0~6歳児の子供がいる割合」を見ると、ホンハイは30.4%で、社員の10人に3人が自宅に0~6歳の子どもがいることになり、台湾全体の7.8%を大きく上回っている。また、出生率に至っては3.4%で、こちらも台湾全体の0.65%を上回っています。

ホンハイは積極的に社員が出産しやすい環境を整えている。社員の子育てをサポートすることで、台湾の将来的な競争力を高めることに繋がるからだ。

最高財務責任者である黄秋蓮氏は、「少子化問題は、国家安全保障の危機であり、産業の危機でもある。現在、生まれるこどもが減ることにとって、将来の人材も少なくなり、我々の国際的な競争力の低下につながる」と語った。

S事業経営管理部で妊娠中謝宇雯氏は、手当の上乗せによって「子どもを産む勇気が湧いてきて、より専念できる育児環境を選べるようになった」という。
政府との関係を担当する部署の陳顥仁氏は、「子育てにはお金がかかる、出産から育児用品の準備、託児所や幼稚園にかかる費用など、夫婦にとっては大きな負担になる。月額15,000元(約7万円)の手当は、子どもの就学前費用を賄うのに十分で、経済的なプレッシャーを減らしてくれた」と語った。

ホンハイは子育て支援を推進するため、以前は誕生日に6000元(約3万円)の支給を行っていたが、2015年からは「お母さんの福袋(媽媽福袋)」を導入し、出産する社員が安心して子供を迎えられるように、出産時からさまざまなサポートを提供している。
2020年には子供が7歳になるまで健やかに成長できるよう、0歳から6歳の育児手当を月額15,000元(約7万円)に増額した。7歳になるまでに合計126万元(約550万円)の手当を受け取ることができる。また、子供の数に制限はない。
同時に、妊娠中の苦労を考慮して、出産予定日前の3カ月を対象に、月額15,000元(約7万円)の手当も用意している。

ホンハイは、コロナウイルス関連規制の緩和に伴い、親子講座、ファミリーデー、映画鑑賞会などの活動を通して、働きがいのある雰囲気を作ることで、より多くの優秀な人材が集まることを期待するとしている。


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