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インスタントコーヒーを選ぶときに知っておきたい3つのポイント

皆さんはもう「推し」のインスタントコーヒーと出会っていますか?
ひょっとしたら、今よりリーズナブルで美味しいものがあったり、たまには高価でも美味しいのを飲んでみたいなぁ、とか思ったことはありませんか?

店頭には安いものなら100gで298円(1杯(2g)約6円)から、高価なブルーマウンテンブレンドなどなら45gで998円(1杯(2g)約45円)まで並んでいます。

何を基準にどれを選べば今の自分にぴったりなのか、迷うとこですよね。

今回はインスタントコーヒーを選ぶときに知っておきたい3つのポイントを解説いたします。

この3点をおさえておけば、臨機応変に「今のベスト」を選ぶことができるようになりますので、ぜひ参考にしていただきたいと思います。

知っておきたい3つのポイント

3つのポイントとは、
①製法による違い(スプレードライ方式とフリーズドライ方式)、
②よくある「〇〇ブレンド」ってどれくらい〇〇を使っているの?
③生豆原産国の表示順について、
の3点です。
順に解説していきますね。

①製法による違いについて

インスタントコーヒーは、まずコーヒーを抽出してコーヒー液を作ります。
このコーヒー液をどのように、顆粒状や粉(パウダー)にするのか、が製法の違いです。

・フリーズドライ方式
抽出されたコーヒー液を、零下40℃ほどの低温で凍結、真空状態で水分を昇華させ大粒の顆粒状にする方式です。

フリーズドライ方式

この製法では、熱を加えないので風味や香りを逃さずにインスタントコーヒーにできるのがメリットです。

デメリットは、コストがかかる、水に溶けにくい(お湯じゃないと溶けきれない)といった点が挙げられます。

「AGFちょっと贅沢な珈琲店」なんかがこちらの製法で作られています。

一般的に、「ちょっと高価なインスタントコーヒー(味も香りもレギュラーコーヒーに近づけたい)」がこちらです。

・スプレードライ方式
抽出されたコーヒー液を、高温の乾燥塔の中で噴霧し瞬間的に水分を蒸発乾燥させ、粉状(パウダー)にする方式です。

スプレードライ方式

この製法では、熱を加えるためフリーズドライ製法よりも風味や香りが劣ってしまう点がデメリットとして挙げられます。

ですが、メリットとして、フリーズドライ製法ほどコストがかからない、粉状なので、水でも溶けやすい、といった点が挙げられます。

「クライス エクスプレス」なんかがこちらの製法で作られています。

一般的に、「リーズナブルで水でも溶けやすいインスタントコーヒー」がこちらです。

アグロメレーション(おまけ)
一般的には、前述のフリーズドライ方式とスプレードライ方式の2つですが、「アグロメレーション」という製法もあります。

アグロメレーション

これは、スプレードライ方式で製造された粉状のコーヒーを顆粒状に造粒する方式で、「クライス アルスター」がこの方式を採用しています。
HPでは「冷水や牛乳にもすばやく溶ける特殊製法」とありますので、スプレードライよりも、より溶けやすい製法のようです。

3つの製法を比較した写真がこちらです。

スプレードライ(左) アグロメレーション(中) フリーズドライ(右)

全日本コーヒー協会のYouTubeチャンネルでも解説がありますので、よろしければそちらの動画も御覧ください。

・ポイントのおさらい
フリーズドライ方式は、「ちょっと高価なインスタントコーヒー(味も香りもレギュラーコーヒーに近づけたい)」

スプレードライ方式は、「風味や香りが劣ってしまうが、水でも溶けやすい」

の2点をおさえておいてください。


②「〇〇ブレンド」ってどれくらい〇〇を使っているの?

「ブルーマウンテンブレンド」、「コロンビアブレンド」、「キリマンジャロブレンド」など、名前に「産地・品種・銘柄ブレンド」となっている商品ありますよね。

「ブレンド」というのは、もちろん「混ぜあわせる」こと。
では一体、「〇〇ブレンド」の「〇〇」はどれくらいの割合を使っているのでしょうか。

これは、「レギュラーコーヒー及びインスタントコーヒーの表示に関する公正競争規約」というものがあり、明確に規定されています。

「〇〇〇ブレンド」(「〇〇〇」はコーヒー生豆の産地、品種、銘柄等をいう。)と表示する場合は、当該コーヒー生豆を30パーセント以上使用しているものに限り表示することができる。

「レギュラーコーヒー及びインスタントコーヒーの表示に関する公正競争規約」より

これを見たとき、「えっ!?」とぼくはちょっとショックを受けました。
「産地・品種・銘柄」ブレンド、をうたっている以上、半分以上(51%)はその「産地・品種・銘柄」を使っているものと勝手に想像していたからです。

30%以上でいいんですね、「〇〇ブレンド」って

これだったら、極端な話、たとえば「ブルーマウンテンブレンド」なのに「ブルーマウンテン」以上にその他の豆が使われいて、「ブルーマウンテン」の特長が埋没しないか心配になりませんか?

まぁ、商品名に「冠表示」をする以上、メーカーさんもそんな野暮なことはしないと思いますが・・・。

ただ、ブレンドで「産地・品種・銘柄の冠表示」をする場合、「30%以上で良い」というのは、おさえておくべきポイントです

③生豆原産国の表示順について

これも前述した「レギュラーコーヒー及びインスタントコーヒーの表示に関する公正競争規約」で規定あります。

ブレンドされている場合は、生豆生産国のうち主要なものについて、その国名を原則として重量の多い順に表示する
 3か国以上使用している場合は、生豆の原産国のうちその国名を原材料に占める重量の高いものから順に2か国以上表示し、それ以外の国名については「その他」又は「他」と表示する。

「レギュラーコーヒー及びインスタントコーヒーの表示に関する公正競争規約」より

この規定があるので、②の「〇〇ブレンド」は30%以上で良い、のとき、残りの70%も含めて、「どの豆が一番多く使われているのか」が明確になります

つまり、「ブルーマウンテンブレンド」とうたって、「ブルーマウンテンを30%、ブラジルを70%」で作っていた場合、この規定により、生豆生産国の順番が「ブラジル、ジャマイカ(ブルーマウンテンの生産国)」となるので、ズルがバレてしまうわけです(そんなメーカーはないでしょうけど・・・)。

UCCのブルーマウンテンブレンド(ちゃんとしていますね)

「産地・品種・銘柄」ブレンドの場合、その「産地・品種・銘柄」はちゃんと1番目に表示されているのか、そして2番目に表示されているのがベトナム産(インスタントコーヒーに使用されるベトナム産は、ほぼロブスタ種です)でなければ、なお良し、と判断する(一般的にロブスタ種はアラビカ種より品質面で劣るとされています。詳細はまた別の機会に)。

「産地・品種・銘柄」ブレンドではなく、「スペシャルブレンド」とかの場合も、この生豆生産国の順番を確認すれば、どの豆が一番多く使われているのかで、味の想像がある程度つきますよね。

ですので、生豆生産国の表記順番は、判断材料の非常に大事なポイントになります。

ただ、最近残念なのは、メーカーによっては「原材料名:コーヒー豆(輸入)」とか、

↑ こんな感じ


また別のメーカーでもコロンビアブレンドの商品で、

↑ こんな感じ

コロンビアよりブラジルの方が先に表記されているし、「又は」となっていて、一体どっちが1番目なの?
と混乱してしまいます・・・。

豆本来の個性をきちんと表現できている味なら、まぁ、良しとするしかないのかもわかりませんね・・・。

・ポイントのおさらい
「産地・品種・銘柄」ブレンドの場合、その「産地・品種・銘柄」はちゃんと1番目に表示されているのか、そして2番目に表示されているのがベトナム産でなければ、なお良し

「スペシャルブレンド」などの場合、生豆生産国の表記順番を判断材料にする。


まとめ

①製法による違い
・フリーズドライ方式は、「ちょっと高価なインスタントコーヒー(味も香りもレギュラーコーヒーに近づけたい)」

・スプレードライ方式は、「風味や香りが劣ってしまうが、水でも溶けやすい」

②「〇〇ブレンド」ってどれくらい〇〇を使っているの?
・ブレンドで「産地・品種・銘柄の冠表示」する場合、「30%以上で良い」

③生豆原産国の表示順について
「産地・品種・銘柄」ブレンドの場合、その「産地・品種・銘柄」が1番目に表示されているのか、そして2番目に表示されているのがベトナム産でなければなお良し、と判断する。

・「スペシャルブレンド」などの場合も、生豆生産国の順番を確認すれば、どの豆が一番多く使われているのかで、味の想像がある程度つく

生豆生産国の表記順番は、判断材料の非常に大事なポイント

の3点、ちょっと気にしてみて、インスタントコーヒー選びにお役立て下さい。

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