見出し画像

4月15日の話。

高校を卒業してから、高校の同級生とはほぼ誰とも会わず、ほぼ連絡も取らず、4年が過ぎた。

この4年間で、同窓会と成人式のパーティー以外で個人的に会った人は、片手ともう片方の手から指を1本借りるくらいで足りる人数。ほぼ誰も、僕のことは記憶に残っていないと思うし、会ったとしても話すことがないやつ。

と思うのは僕も同じなのです。誰だっけこの人?ってなることが少なくないし、たとえ会っても特に話すことがない。近況報告だけなら5分で十分なんですよ。「同級生」って言葉だけでつながれている関係性。ということで、こっちから食事に誘うことも、逆に誘われることもない。(誘ってくれる方、ありがとうございます。これからもお願いします。)

それでも現代のすごいところというのは、タダでは人と人を離さないところなんですね。彼らとのLINEのトークは空っぽでも、高校の頃に繋がったインスタとTwitterは、アプリを開くだけで、意図せずとも細い糸をピンと張りなおしてくるし、関係を戻してくる。

高校のとき、出席番号順に並んだ席の僕の左隣は、どっからどう見てもおとなしそうな女子だった。 隣同士だったのに、足がつったときは足の指を手前に引けば治まる、なんて話をしたぐらいで、彼女とはほとんど言葉も交わさず、一年後にはお互い別のクラスになった。たしか軽音部に入っていて、ギターかベースを担当していた気がする。

こないだ、ふとしたときに見つけたその彼女は、高校の時の記憶とは全く違っていて、生気に満ち溢れていた。見慣れないアカウント名のストーリーがインスタのトップにあって、それが高校のときのあの子だった。実に4年ぶり。高校のころはあんまり楽しそうに見えなくて、友だちもあまりいなさそうだった彼女が、写真の中ではとても楽しそうで、見たことのない笑顔で友だちと写っていて、なによりずっと生き生きとしていた。

「君ってそんなキャラだったっけ(笑)」って言葉は、特に仲良くもない知り合いにかけられることが多い。これを言われるのがすごい嫌いだったから、「えへへ」って流して話をすり替えてたんだけど、今まで見たことのない”あなた”の一面ってすごく面白いのよね。それを見つけちゃったな。

僕のもつ人間関係は超絶狭くて、過去に知りあった人たちの現況を知る手段がほとんどない。全員の近況を常に最新状態にアップデートしておきたいわけでもないから、いちいち会って聞く気も、LINEしてみる気もない。そもそもLINEに登録されている、大学以前の連絡先がほぼないし。だから見るだけでもいいし、見なくてもいいSNSって最高。

別に、SNSでつながってるだけの関係なんて軽薄だ、本当の人間関係じゃないとか、そんなことは露とも思わない。というか、不意に現れるこんな関係はいつもとても面白いからむしろ好きなのです。

p.s. レンタルしたらめちゃくちゃ当たりソング。耳から離れない頭から離れない〜

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?