IGGY POP FAN CLUB - NUMBER GIRL
-あの子は可愛い家猫娘-
最高に胸が熱くなるNUMBER GIRLのラストライブのラストソング。
イントロを聞くと言葉が何も出てこなくなってしまう。
言いたいことはたくさんあるはずなのにこのギターを聞くともう!
-向井氏のセンスに脱帽-
部屋でゴロゴロしていた彼女を、「家猫娘」と名付ける向井氏のセンスは一際ぶっ飛んでいる。
なんとなくわがままで、自由気ままで、愛おしいさまが伝わってくる。
普通のポップスなら「夕陽に映る君の顔は素敵だった」なんて歌うのだろうけど、「俺はこう思ったんじゃ!」ってことで「自分がどうだった」のかを衝動的に歌う向井氏。
このAメロの歌詞が好きすぎて、もうたまらんのです。
エレジーは哀歌という意味だから、そこには少しの哀愁もあったのかな。
ライブだとエレジーが哀愁もクソもない鬼気迫るシャウトになるのはサイコーです。
-薦めた曲を嫌いと言われるちょっとした照れくささ-
どうやらこの部屋にいた家猫娘はIggy Popのレコードはお気に召さなかったようです。
笑いながらヘンな歌って言われるのはちょっとかわいそう。
自分の初体験物語を何度も話すぶっ飛んだ娘だから、きっとズバッと感想を言ったんだろうな。
薦めた曲をそう言われるとちょっと照れくさいし、それすらも愛おしくて、それはもう忘れられなかったのかも。
家猫娘と付き合ったら、普通の恋愛なんてできなくなりそうだ。
-嫌いと言われたレコード-
おそらくLouie Louieがこの曲の元ネタかな。
ここからこんなジャッキジャキの名曲ができるなんてさすがとしか言いようがない。
初期の曲なのでPixiesのエッセンスも入れながらわりかしポップに仕上がっています。
この曲とかPIXIE DUとかもそうだし影響を受けたものを曲名に出しちゃうのね。
そりゃあアジカンだってN.G.Sとか作っちゃう。
-とんでもないいじらしさ-
家猫娘に聞かせたレコードを聞くたびに、君の顔の輪郭を思い出すって歌ってる。
君の顔じゃなくて輪郭なのがいじらしいし、「思い出したりしてみた」ってのもすごくむずがゆい。
それもこれもきっと家猫娘のせいなのではないかと思っています。
強烈な一瞬一瞬を切り取って、その時の空気感を天才的に詰め込んだ、最高のロックだ!!!
-あとがき-
向井氏がこんな曲を作ったせいで、IGGY POP FAN CLUBを聞くとあなたと同じようにあの頃を思い出して悶える人が、この世にどれだけいると思ってるんだろう。
ものすごい強烈なタイムマシーン。
思い出してる。思い出してる。
でもちょっと。全部じゃなくて顔の輪郭だけ。
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