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矛盾していて、何が悪い。

人間ってけっこう、矛盾しているものだと思う。

でもそれを認められなくて、苦しむ人たちが大勢いる。

たとえば、朝早くに起きる予定を立てたのに、起きたときには夕方を指している時計。痩せようと決心したその日に、買い物かごにはいっているおやつ。あんなに読みたかったのに、いつまでも本棚でホコリを被っている文庫。

あるいはその苦しみは、他人に向けられることもある。人の矛盾を指摘することで「自分は違う!」と言い聞かせるように。

こうしてみると世の中、矛盾だらけだ。

僕たちはそれに気づいてしまうと、とても嫌な気分になることを知っている。自分は意思の弱い人間なのだ、という終わりのない否定が待っている気がする。

でも立ち止まってよく考えてほしい。
『それって、あたりまえのことなんじゃない?』

僕らには、想像力というものがある。

正解を考えることもできれば、間違いを考えることもできる。プラスを考えることもできれば、マイナスを考えることもできる。勝利を考えれば、敗北を。進化を考えれば、停滞も。気遣いと無視、行動と休息、戦争と平和、未来と過去、終わりとはじまり。

考えることができるということは、そのとおりに振る舞う余地がある、ということじゃないか?

だったら、矛盾なんて、あたりまえのことなんじゃないか?
そしてそんなあたりまえを指摘することに、相手を傷つける以外の意味なんてないのでは?

そう思うことはできないだろうか。

いや、それよりもまず第一に。

つまらないじゃないか。矛盾がない、なんて。

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