日記 7/21 週刊リンス②

一昨日の続き。
週刊リンスの立ち上げ人であるS君の漫画の内容について書く。
そもそも、小学生が漫画を描きたいと思った時にまず「雑誌を刊行しよう」と思うそのバイタリティに脱帽である。Aマッソが、去年のM-1準々決勝で「笑うな!ええか、システム作れるやつが偉い。」というキラーワードを放っていたが、僕もそう思う。

S君との思い出は共に漫画を描いていたことしかない。
彼の描いていた漫画のタイトルは「でんしゃごっこ」だった。

①「きょうも でんしゃあそび」(文字だけ)

②「みんなはいつもやまのてせん」(電車の絵?)

③「ぼくはいつもちゅうおうせん」(悲しそうな顔)

④「そんなとき、ひっこしてきたAくんがもってきたでんしゃ」(だいたいこんなニュアンス、棒人間の絵)

まずここまでが均等な大きさのマス4コマで展開される。内容はかなりうろ覚えだが、とにかく主人公の電車の路線が劣っていて、まわりを羨んでいるという前フリがあった。(中央線だったか山手線だったかも怪しい。僕の当時の電車に関する知識がこの2つしかなくてこう覚えてるだけかも)

改めて見るとかなり起・承・転がしっかりしている。主題、主人公の抱えるコンプレックス、そして新キャラの登場、と話が盛り上がっていっていることがわかる。
そして次のコマである。

⑤「てつどう」(文字だけ)

てつどう!?!!!????

漫画を読み進める手が止まる。
4コマ目まで読んだ読者は、「主人公は山手線なんだ」「ここから、銀座線や井の頭線とかのライバルキャラみたいなのが出てくるのかな?」などと考えを巡らせたと思う。
そこで「鉄道」。こいつだけ立ってるステージが違う。
路線がどうとかいう話じゃない。
お前の敵は「飛行機」とか「船」とかだろ。

テラフォーマーズで言うと、マーズランキング1位が登場する前に「虫」のテラフォーマーが登場するような(アリの力にカマキリの腕?みたいなことか?)、これがなんと1話の5コマ目である。

「とある魔術の禁書目録」で、「思ったことが全て現実になる」能力の魔術師アウレオルスが登場した時、僕は「2巻でそれやる!?」と思ったが、同様の衝撃がこの時にも訪れた。
ちなみにこの5コマ目、今までの4コマと同じ大きさで横に並べられている。普通の漫画家なら見開き白抜きジャンボ吹き出しで「“鉄道”だ」としてしまうところこの淡白さ。S君の器が感じられる。

⑥「ぼく びっくり」(驚いた人の顔)

そりゃびっくりだよな〜と思う。

なんと僕が覚えているのはこの6コマ目までである。
6コマだとまだ1ページも使い切ってないし確実にまだ展開があったはずなのだが、一切覚えていない。2話目の展開も、あったかどうかさえ曖昧である。

1話5コマ目で超絶インフレをかましたこの「でんしゃごっこ」がそのあとどういう展開を辿ったのか、「てつどう」の詳細など、S君や当時の4年2組で知っている人がいたら教えてほしい。

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