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世界初公開!ミイラの真実が名古屋で暴かれる!

愛知県立美術館「ライデン国立博物館所蔵 古代エジプト展」に行ってきました!私は、土曜の10時〜の部で参戦しました。

★どんな展示会?★

・世界有数の量の古代エジプトコレクションを所蔵するオランダのライデン国立古代博物館のコレクション展です。今回はミイラを含む厳選されたおよそ250展の作品を借用し、展示されています。

また、今回の展示会で展示されているミイラのCTスキャンは世界初公開!最新技術を駆使した詳細の研究結果が紹介されています。

★ここは押えておくべし!見どころ★

①迫力満点!木棺12点の直立展示!

「ホルの外棺」ライデン国立古代博物館所蔵

ミイラを入れる木棺が直立した状態で12点展示されています。この立て置きスタイルの展示は国内初のようです。直立スタイルで展示することで、木棺に描かれた呪文や古代エジプト神の絵図などが間近で見ることができます。

②希少なミイラを発見!?ミイラCTスキャン結果が公開!

展示されているミイラのCTスキャン結果が世界初公開されています。その解析したミイラの内、2体の身体の中に人形のようなものが埋め込まれていることが明らかになったことが発表されています。このパターンは極めて少なく、その意味はまだ明らかになっていないみたいです。ミイラ自体に傷をつけずに解析できるというのはすごいですね。

動物のミイラもあり、コブラ、ネコ、トキなどのミイラが展示されていました。彼らの動物への愛情と敬意が感じ取れました。

「ネコのミイラ」ライデン国立古代博物館所蔵

③想像以上の工程!ミイラの作り方の解説!

展示会では、ミイラができるまでの過程が丁寧に解説されています。予想外の大胆さと作業の細かさ、そして、想像を超える所要日数。はじめて知る人は驚かずにはいられないと思います。

④モチーフや色に込められた想い。

「色合いがいいからこの色とこの色をっと」なんて感じに古代エジプト人はデザインや絵を創作しているわけではありません。全ての色・モチーフには彼らの考えるしっかりとした想いが込められています。解説とともに彼らの思慮深さを展示物から感じ取っていただきたいです。

エジプト美術の様式が3000年間変遷することがなかったのは、美術自体が王のために作られたもので、ルールに則ったものだからと以前に本で読みましたが、納得の緻密さでした。

⑤ヒエログリフ

1つの文字でも状況により「意味」と「音」のどちらを示すかが変わるヒエログリフ。ヒエログリフの一覧がありましたが、こんな複雑な文字を操れるのほ本当にすごいなと改めて思いました。読み方なども少し解説されていたので楽しかったですよ。どんな意味なんだろう?と思いながら眺めるのも面白いです。

⑥古代エジプト人の思想や死生観が垣間見える作品

<死者の書>

「パディコンスの死者の書」ライデン国立古代博物館所蔵

展示会では、死者を冥界へ導くためのガイドライン「死者の書」が展示されています。書には、死者が途中迷ったりしないための手引き・修行を積むための手引きが書かれています。

死者が最後に冥界に行くことができるかどうかは、天秤に死者の心臓と真実の羽をそれぞれのせて、測って決めます。真実の羽よりも心臓が軽ければ、冥土へと進むことができ、重かったら、怪物に食べられて永遠の無となってしまいます。

古代エジプト人の死後の世界に対する思想を感じ取ることができます。

⑦驚いた!副葬品シャブティ

「メリトアテンのシャブティ」ライデン国立古代博物館所蔵

シャブティとは、冥界で死者の労働を代行するために副葬された人形です。死後の労働まで考えているってすごいなと思ってしまいました。しかも、最初は1体しか副葬していなかったのに、次第に「1日1体」と考えて1年分の「365体」。さらには、シャブティが怠けるといけないから見張りをつけるという発想が芽生え「4百数十体」ものシャブティを副葬するように。さらに上をいく思考回路に驚いてしまいました。

⑧ハエは不屈の象徴

ハエは追い払ってもまた近づいてくることから古代エジプト人は、ハエを「勇気と粘り強さ」の象徴としていました。軍の勲章のモチーフにもなっていたとか。ポジティブすぎる捉え方が素敵だなと思いました。

他にも色々見所はありますが、個人的に興味深かったなという部分をご紹介させていただきました!

★必ずした方がいいこと★

今回、私が鑑賞にあたって、しておいて良かったなと思ったことをお伝えしますね。

①ガイドを使うこと

600円でガイドを使用できます。本当にこれは行くなら絶対つけた方がいいです。要点をおさえて、分かりやすく説明してくれるので効率よく鑑賞できました。

ヒエログリフを読んだ音声を聞くこともできますし、読み方の解説もしてくれました。画面で解説アニメーションやクイズまで見れる多機能性にはびっくりします。時折流れるエキゾチックな音楽や古代エジプト神の声、ナレーターさんの声も最高です。

鑑賞をより豊かなものにしてくれるので、お金を使う価値はあります。

②古代エジプト神を少しだけおさえておく

エジプトの神様を少し知っておくとより楽しめます。エジプトの神様はたくさんいますが、「ラー神」「オシリス神」「イシス神」の特徴と「オシリス神話」の内容をほんの少し抑えておくだけでもグッと鑑賞が楽しくなると思います。

「パディコンスの死者の書」ライデン国立古代博物館所蔵

おさえたほうがいい神様

・ラー神<上記画像の真ん中右>
太陽の神様です。顔はハヤブサで、頭の上に太陽円盤がついています。太陽は東からの上り、西へ沈むので、1日に死と再生を繰り返す不死の存在とされています。

・オシリス神<上記画像の左から2番目>
冥界の王です。顔が黒いのは、死の世界である冥界のものであることを表しています。

・イシス神<上記画像の一番左>
オシリス神の妻です。農耕・豊穣の神様で、偉大な王座を守る存在です。

オシリス神話<どうしてオシリスは冥界の王なのか?> ※超簡略化

オシリスは弟に殺され、体をバラバラにされてしまいます。妻のイシス神はバラバラになったオシリスの体を拾い集めて、復活させますが、オシリスは生きた者として存在することができなかったので、冥界へと行き、死者の世界の王となりました。

非常に登場回数が多い神様なので、展示場で見つけると「あ、いた!」とテンションが上がります。ぜひ、行った方は探してみてくださいね。

★ミュージアムショップ★

・ヒエログリフや覆いなどをモチーフにした文具やエコバック、チケット入れ、Tシャツ、ハンカチやとっても可愛らしいお菓子など、たくさんの種類のお土産が売っていました。ショップにいると、周囲から「かわいい!」「やばい!」という声が聞こえてきました(笑)

他にはすみっこぐらしとリラックマと今回の展示会がコラボしたグッズも売られていて、とってもキュートでした。きっと、ファンの方にはたまらないのではないかと思います。

★全体としての感想★

非常に内容の充実した古代エジプト人の死生観、彼らの動物に対する愛情を強く感じることのできる展示会でした。エキゾチックで神秘的なエジプト美術に以前から興味がありましたが、古代エジプト人の思慮深さ、技術力に触れ、更に興味がそそられました。12月6日までやっているので、行くかどうか迷っている方は、絶対に行くことをオススメします。

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