見出し画像

デッキで

一通り飲んだ僕らは、昼寝した。

それぞれ好きなことに興じている。

トランプしている人、身の上話をしている人、

カップラーメン食べている人、新聞を読んでる人。

僕は、外に出た。

日中の海は一面が青だった。

目をどこに向けても、青。

空はまぶしく、海面もまぶしかった。

最高の贅沢な時間だったと後から気が付くことはよくあるが、

この時は、その瞬間が最高だと気が付いていた数少ない時間の一つだった。

何もやることがない。

ただ、旅をすることのみが目的。

目が、しっかり覚めたまま、無の境地にいるような感覚。

夕方になると、いい匂いが漂ってくる。

そういえば、お腹が空いている。

空腹も、睡魔も、その時の僕を動かす動力にはならなかった。

風、波の音、直射日光、傾きかけた太陽のまぶしさ。


サポートいただいた方に、元気お届け!! 新たな旅、医療器材の購入、地域に還元。 有意義に使わせていただきます。