教員免許が人生のセーフティネットになる
困った時に臨時教員になれるってのは良いもんですよ。
先日、教育大学の学生と話す機会があったので、教員免許取得をお勧めしてきました。今の教育大学って免許を取らずに卒業できるコースがわりとあるんですよね。でも、せっかくお金を払って大学に通っているのだから、教員免許は取っておいた方がいいと思うんです。
自分の人生において、「小学校教員免許」が自分の人生を救ってくれたことが3回あります。そのエピソードを簡単に紹介します。教員免許を取るかどうかの参考にしてもらえれば。ついでに臨時教員という仕事を知るきっかけになれば幸いです。
22歳。フリーターから教員に
22歳の頃。大学を卒業した自分は「教員採用試験の勉強をするんだ」と言い、親のスネをかじって実家暮らしをしていました。で、その夏の採用試験を終えて、いい加減バイトでもしようかとチラッと働いてみたり、無駄に北海道一周したりして過ごしていました。
するとある日。確か秋の終わり頃だったか。電話が一本かかってきたんです。小さな村の教育委員会からでした。臨時教員をやらないかという話。二つ返事でOKして実際に働いてみると、なんとまぁ給料がいいんですよ。北海道の臨時教員は同年代の正採用と同じ額をもらえますからね。短期バイトで細く稼いでいたのと比べると雲泥の差です。
年度途中から突然公務員級の収入と福利厚生が手に入る。生々しい言い方ですが、これは大学で教員免許を取っていたからできた人生の転身でした。
2X歳。住所も勤務地も好きなように選んだ
普通に身バレしそうなので(別にしてもいいんですが)、経歴の年齢を一応若干伏せます。自分の臨時教員人生は田舎巡りから始まりましたが、途中で一度札幌勤務を挟みました。実家暮らしをしたので。それに一度札幌の学校でも働いてみたかったんです。
実際にやってみると、札幌の小学校教員というのは当時の自分にはあまり合わない働き方でした。本題から逸れるのでここでは詳しくは言いませんが、なんとなく田舎暮らしの方が好きだったんですよね。今ならきっと札幌勤務も気にいると思います。
で、札幌で何校目かの臨時教員の任期終わりが近づいた頃、自分は北海道の端っこの振興局に一斉に履歴書を送りました。すると3日後にそのうちの一つの振興局から電話が来ました。札幌からも次のオファーはきましたが、自分は僻地からの電話に二つ返事でOK。無事に田舎に飛ぶことができました。
正規公務員級の待遇で、勤務地もある程度自分の感覚で選ぶことができる。教員免許はそんな生活のパスポートになりえます。もちろん、臨時教員という仕事はその時その時の欠員を埋める仕事ですので、常に職場選び放題という保証はないのですが。それでも現実問題、この業界は常に人手不足なので、この生き方をしていて食いっぱぐれたことはありません。
3X歳。他業種から教員復帰
自分はパワハラで正規採用教員を退職したという何とも言えない思い出があります。これについては他にも大きな理由はありましたが、本題から外れるので割愛。
で、退職後は妻の希望で東京へ移住し、妻の仕事の手伝いをしつつ1歳児の面倒を見る生活をしていました。なんちゃってフリーランス職な形で、Webライターやら企業SNS運用代行やら広告代理店出向やらで、月に10万〜20万程度稼いでいました。
ところがある日、妻が仕事先でケンカしてきました。結果、妻が担っていた仕事はなくなり、我が家の世帯収入は半減しました。
こうなると自分が稼ぐ他ありません。この状況から手っ取り早く一家を養える額を稼ぐ方法。自分には一つしか思いつきませんでした。
さっそく北海道の実家近くの振興局いくつかに履歴書を送りました。すると3日後に電話がかかってきて、すぐに勤務地が内定。自分は妻と2歳児を連れて引っ越しの準備をし、東京から北海道までUターン。年度途中から小学校の臨時教員となり、担任不在だった学級の担任を務め1馬力で家計を支える収入を得ました。
おそらく、自分の人生で最も「教員免許の威力」を思い知ったエピソードでした。人生の途中で思い立った時に正規公務員級の待遇を手にすることができる。教員免許はまさに「人生のセーフティネット」です。
教員免許、取るといいですよ
以上です。臨時教員は不安定な立場ですが、言い方を変えれば自由自在な生き方でもあります。そのフットワークの軽さ、そして需要の大きさ切実さに自分はこれまで何度も助けられ、恩恵に預かってきました。
今すぐ臨時教員をやりましょう!新卒であえて臨時教員という生き方を選びましょう!と言っているわけではありません。
ただ、人生の中で何かが起きた時、臨時教員という働き方は生活の最後の砦になってくれます。心に余裕ができるというものです。思い切ったチャレンジができるということです。
そのためのパスポートとなるのが「教員免許」。持っておいて損はないと思いますよ。免許更新制度も無くなったわけですし。
では。
この記事が参加している募集
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?