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家族になるということ

もうすぐ新しい車を買うことになった。
残価クレジット設定で購入した今の車のローンが5年で切れるからだ。
見事にぶつけ倒した我が愛車は、20万の下取り価格しかつかなかった。

次の車はもっと、大切に乗ろう。
なんて、悠長な気持ちで次の車を探しにMAZDAの店に行った。

大学を卒業して、まだ社会の仕組みを理解する前に、
ディーラーさんに言われるがまま(とても良くしてくれた)、
特段何の支障もなく、考慮する条件もなく、色と設備で決めた。

ただ、今回は5年前のそれとは訳が全く違った。
お金や交渉、燃費や流行りなどの社会の仕組みを覚えた今、
当時まだ出会っていなかった妻と結婚し、子どもが生まれる今、
もともと趣味多き人間が新たに2つの趣味を得た今、

考慮すべき条件の多さ、いや濃さに驚いた。

大人になるとはこういうことなのか。

一番の条件は、車高の高い、少し大きめの車にすること。
そう、赤ちゃんが我が家にやってくるからだ。
まさか5年後、ベビーシートやベビーカーのことを考えて車選びをしているなんて
全く想像もしていなかった。
しかも今回は一人で考えるのではなく、夫婦2人で考えるべきことだ。

「どのくらいの広さが必要かな」
「保育園とかの送り迎えはどっちの車でいくかな」
「支払いは2人の間でどの塩梅でするべきかな」

悩みは多いが、私は同時に嬉しさを感じていた。

ああ、こうやって家族になるんだ。
今まで自分ひとりで考えていたことを、
家族のこととして話し合っていくんだ。
そしてそこに、「子ども」という共通項が存在するだけで、
家族としての繫がりがぐっと深まるんだ。

と。

家族として生活を営んでいくのは容易いことではない。
ただ、その過程の一つ一つを対話して、楽しんで、愛おしんでいけば、
わたしたちはより素敵な家族になることができる。

そう感じた日曜の昼だった。

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