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インターフェースデザインのお約束 / 101 UX Principles

デザイン関連の本で、久しぶりに面白いなーと思ったので紹介します。

原題は「101 UX Principles」なので「101のユーザー体験の原則」みたいなタイトルなのですが、ユーザー体験云々よりも、WebやアプリのUIについての言及が多い本なので、邦題の「インターフェースデザインのお約束」ほうがあっている気がしています。

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内容はインターフェースデザインのアンチパターンと改善方法が紹介されるという内容で、とても具体的で実用的です。

目次をいくつか引用してみると

- 書体は最多でも2種類に
- アイコンには必ずテキストを添えろ
- パスワード入力欄はペースト可能にせよ
- ハンバーガーメニューなんて使うな
- 通知項目は細かく指定できるようにせよ

このように、Webやアプリの開発に携わったことのあるデザイナーやエンジニアの方であれば「あー、あるある」「わかってるけどやってないんだよなー」というような内容です。

新しい知見を得る、というより初心に帰ってちゃんとやろう、と思わせてくれる名著だとおもいます。

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またこの本の特徴は著者が常に悪質なUXに対してキレているのが面白く、例えば「アプリの評価依頼のポップアップなんてやめろ」という項目では

こんな画面、見たいやつなんているものか
これは史上最悪のタイミングでいきなり飛び出し、アプリの評価をせまるポップアップウィンドウだ

このように、徹底的にユーザー目線でキレているのが最高に面白く共感できます。作り手は、いわゆるビジネス要件だったり開発上の都合でやりがちのことを戒めてくれる内容です。

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ということで、UXやUIの知見を深めたい方はもちろん、すでにWebやアプリの開発に関わっている全ての方にオススメです。

ちなみに、訳者の方による日本独特のUIアンチパターンも紹介されていて、そちらも面白いです。一番刺さったのは

「桁区切りカンマ不要」「数字は全角で」は開発者の怠慢では?

です。

公共機関やお役所的な古いシステムに多く、最近いろんな手続きでこの苦労を味わったので共感もひとしおです。早く直してくれ!

現場からは以上です。



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